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第四十話 騒がしき日々
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もといラウラさんは、口調は普段通りぶっきらぼうではあるものの、僕に名前を呼ばれた途端に目を輝かせた。それはもう、尻尾があったらブンブン振り回しているくらいの勢いだ。
な、なんかちょっと可愛い……じゃなくて! いや、ホント何があったの!?
確かに誤解がなくなって多少は仲良くなれた気はしたけどこの豹変ぶりはちょっとおかしい。それにこの様子だと千冬さんへの態度も変化しているみたいだし。
「あの、なぜ私や織斑先生をお姉様と呼ぶのですか?」
「む? セシリアが言っていたぞ。自分が認めた女に対しては敬意を払ってお姉様と呼ぶのだと。それに日本に詳しい部下にも確認したから間違いないはずだが」
オルコットさぁん! そしてその自称日本に詳しい部下さん、何吹き込んだの!?
そういえば昨日、彼女に連行された後に少し様子が変だった。それでも一緒にいる間は特に何もなかったから気にしないことにしたのに。ってことはトドメさしたのはその部下さんだよね、はぁ。
「で、できればお姉様と言うのはやめていただきたいのですが?」
「なぜだ? セシリアも呼んでいるではないか」
ぐ、それを言われると厳しい。正直、勢いで押し切られて許してしまったのを後悔している。クラスの子たちならともかく、オルコットさんはいたるところで僕のことをそう呼ぶから学園全体に認知されつつあるし。
だからもう今更な気もするし、だんだん悲しげな顔になるラウラさんを見ていると別にいいかな、と思ってきてしまうんだけど……すぐ近くから感じる殺気が許してくれないんだよね。
僕が折れてしまえば、必然的に千冬さんもそう呼ばれるようになるだろう。つまり、この僕に向けられた殺気は絶対にそれを阻止しろという圧力、というかもう脅迫だよね、これ。
「ちょっと誤解がありますよ、ラウラさん。確かに敬意を払うために姉と呼ぶこともあるのかもしれませんが、それでは一方的ではないですか。私も、あの模擬戦で自分を乗り越えたラウラさんのことを認めているんですよ。ですから、お互い名前を呼び合うことにしましょう?」
なんかちょっと無理矢理な気がするけど、納得するかな?
「わ、私のことを認めてくれるのか……?」
ん、思いのほか好感触だ。
もしかして、あまり人に評価されることが無かったのかな……以前の僕みたいに。なんだかそれを利用するのは気が引けるけど、彼女のことを少なからず認めているのは本当のことだ。
「えぇ、もちろん。それは織斑先生も同じはずですよ?」
「ほ、本当ですか!?」
僕の言葉に、凄まじい勢いで千冬さんの方を向くラウラさん。あまりの剣幕に少し千冬さんも引いている。
「あ、あぁ。そ、そうだな、まだまだ未熟ではあるが、な」
僕の意図を読み取ってく
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