東條希包囲網 後編
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しもうた。
「穂乃果!?」「穂乃果ちゃん!?」
海未ちゃんもことりちゃんも驚いて穂乃果ちゃんの方を見る。
そら答えをはぐらかしてるウチにこんなに直接的に聞くんやもん、当然やね。
「さて、いつからでしょうね?」
でもウチはブレずにはぐらかす。
イエスともノーとも言わない。
その距離感が大事やと思うんや。
「穂乃果ちゃん――その、希先輩だって生徒会のお仕事とかで忙しいんだから、あんまり無理をいっちゃダメだよ?」
「そうですよ穂乃果。自分の都合ばかりを押し付けてはいけません。だから先輩も、あまり穂乃果の言うこと気にしないで下さいね」
すかさず入ったフォローに、ウチは小さく頷く。
うん――やっぱりここは、不可侵領域やな。
ウチは改めてそう思うのだった。
「でも――」
しかしそれで話は終わらず、今度は海未ちゃんとことりちゃんが顔を見合わせて、くすくすと笑った。
「ん?」
小首を傾げるウチに向かって、二人は見合わせていた顔をこちらに向け。
「仮にそれらを置いておけるのだとしたら――私達もぜひ、希先輩にはメンバーに加わって欲しいって思っています」
「それだけは覚えておいてくださいね」
きれいな瞳は三人とも本当にそっくりだった。
-3-
――きぃ。
甲高い音がして扉が開くと、出迎えてくれたのは夕暮れのオレンジと、視界の端っこにちらっと一瞬だけ見えた弁天さん。
最近はずっと賑やかだった学院の屋上は、今日は妙にしぃんとしていて。
そこで動き回るμ'sのみんなの様子が目に浮かぶようだった。
ウチがなんでここを訪れたかというと、そのμ'sのメンバーと会うためで。
もう部内ではウチが加入するのが規定事項みたいになっていたから、そこはビシッと言っとこうかなって思っていた。
けれどアテが外れたみたいで、屋上はからっぽ。
階段を登ってる時から妙に静かやったから、あら?とは思うてたけど、見事に外れクジを引いてしもうたみたい。
そのまま帰っても良かったのだけれど、でもせっかく階段登ってきたし夕日もキレイやったし。ちょっとだけ眺めさせてもらおうかな――そう思って、ウチは屋上の端っこまでゆっくり歩いた。
別にそのまま飛び降りるんとちゃうよ?
視界の端に見えた神さまを追いかけてふらっと――なんて話は昔からぎょうさんあるみたいやけれど、ウチはちゃんと気いつけとるから。
まあそもそも、柵がついてるから落ちる心配はないんやけどな。
くすくす。
その鉄柵越しに、下校する生徒たちを見るともなしに見ながら。
今日のμ'sの練習はお休みなのか、それとも別の場所で練習しているのか。
今から神田明神に行けば誰かしらに会えそうな予感はするけれども、それなら穂むらに行けば穂乃果ちゃんには高
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