暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
第一章 光の使い魔たち
王都-トリスタニア-part1/その名はゼロ
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れを毛布代わりに掛けて藁の上に寝転んだ。背中が痛い。地球にいた頃に使ってたベッドが懐かしい。
「…ねえサイト。まだ起きてる?」
 ふと、もう寝たと思っていたルイズがサイトに声をかけてきた。
「どうしたんだよ?寝付けないのか?」
「あんたは私に聞きたいこと言ってきたけど……あの時の巨人が、あんたの言ってた『ウルトラマン』って奴?」
 初めてサイトを召還したその晩、サイトの世界のことを聞いたルイズは当然ながらウルトラマンのことを聞いている。あの鎧の巨人もそうなのではないのかと思い、尋ねてみた。
「あれが、本当にあんたの故郷を守った奴なの?」
「…みたいだ。見たことない個体だったけど」
 ルイズは、実をいうとウルトラマンに対して懐疑的な考えがあった。本当にあれがサイトの言っていたヒーローなのか、戸惑いを覚えていた。もし、実はあの円盤同様人間に対して危害を加えてくるようなことになったらと疑いばかりが湧き上がる。
「俺は…信じるよ。ウルトラマンのおかげで、俺は生きているようなもんだから…」
「…そう」
「ルイズは、信用できないのか?」
 サイトは顔を上げてルイズを見る。彼女は月明かりの差し込む窓の方を見ているせいか顔が見えなかった。
「正直私はあの巨人を信じてない。不用意に心を許すことは命取りだって、お母様たちから教わったから」
「そっか…」
 無理もないか。この世界はウルトラマンのことを知らないし、宇宙生命体の脅威に晒された経験もない。得体の知れないものに対してどうしても警戒をしてしまいがちなところは地球人とて同じだ。それでも、踏み込んではいけない領域というものは存在するのも確かだが。
「でも、あんたが信じるなら…」
「え?」
 何かルイズが小さく呟いている。何を言っているんだろうと思って声をかけてみた。
が、次に飛んできたのはルイズの張った声だった。
「な、なんでもないわよ!それより早く寝なさいよ!キュルケに悟られる前に出かけないと、またあの女のせいで厄介なことになるんだから!」
そう言ってルイズはガバッと毛布を頭までかけて夢の世界へと飛び込んでいった。
「へいへい」
 ため息交じりにサイトもパーカーを毛布代わりに掛けて再び藁の寝床の上に寝転がった。
 サイトの表情は、どこか浮かないものだった。恐らく父…いや祖父の代。そのあたりからウルトラマンたちは地球を守ってきてくれた。自分の人生は、ウルトラマンの存在会ってこそ成り立っていると言っていい。でも、その時のサイトは、心中複雑な表情になっていた。
(信じるって、言うだけなら簡単なのにな…)
 サイトはウルトラマンを信じる、と言った。でも、どうしてか自分で言っておきながらその言葉に甘んじているようには見えない。
(鎧に、青い模様のウルトラマン…)
 眠気によって、
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