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とらっぷ&だんじょん!
第二部 vs.にんげん!
第22話 ほのおのりょしゅう!
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う……だったのか……」
「もっとも、私がそれを見つける前に国が亡ぶかもしれんがな」
「レイア、悪い想像はよしましょう」
 彼女はつまらなさそうに鼻を鳴らしたが、宿舎から出て行く前に、ウェルドを振り返った。
「自分の目的にとって良い選択をしろ。……私は、それでいいと思う」
 思わぬ相手が見せた、思わぬ優しさだった。
 教会に行くと、いつもと様子が違っていた。
 礼拝室に冒険者たちが集まり結果を報告し合っているのは毎日の光景だが、その顔が沈痛だ。その場にいる冒険者達はアルバートとボスマンの二人組と、二人と同期の冒険者であるリューリンという斧使いの女。この三人より一回り年上のアドルノ、アングル、サドラー。そしてうなだれているティアラを合わせて七人だ。
「フォルクマイヤーが死んだ」
 何があったか聞けば、ボスマンが答える。
「オンベルトも」
 全身の血管がぎゅっと収縮し、顔から血の気が引くのがわかった。
「オンベルトさんを助けてくれって、あたしらフォルクマイヤーさんから頼まれたんだ」
 戦斧を担いだリューリンが真っ赤な目をして言う。
「なのに――なのに――」
「仕方なかったんだよ」
 と、アルバート。
「あれは無理だった」
「でもさ……悔しいよ……。やり直しができたらなぁ……」
「バッカ、やり直しできるわけねぇだろ? いつでも機会は一度きりなんだ」
 その後、ウェルドはサドラーに呼ばれて別室で二人きりになった。
 彼はこう切り出した。
「詳しい事は言えねえが、俺は故郷を追われて流れてきたお尋ね者なんだ。待ってる奴も守りてぇ奴もいねえ。気楽なもんだ」
 彼は隠してあった、恐らくカドモンの私物であろう酒壜を勝手にあけ、口をつけて飲み、言う。
「おい、あんたそれ人の……」
「まーまーまーまー、で、本題だけどな。俺が言いたいのは、別にあんたを責める気はねぇってこったよ。俺みてぇに何にも背負ってねぇ人間は、自分の気が済む事だけ考えてりゃいいがな」
「俺にだってもう故郷はない。理解のあるふりならやめてくれよ」
 サドラーは酒をもう一口。
「死んだフォルクマイヤーって男、バルデスに随分な入れ込みようでな。一回り近くも年下の男を、誰よりも尊敬してるってな。俺だってあの男は嫌いじゃねえ。だからあの男が助けた命を見捨てたくねぇ」
「俺だって、好きで見捨てようってわけじゃ――」
「そりゃそうだろうよ、ここに来てからずっと一緒だったんだもんな。話してくれよ。どんな奴なんだ? ディアスっていうのは」
「あー」
 ウェルドは天井を見て、少し考えた。
「陰険で口が悪くて一言多くて尊大で少し頭がおかしい」
「他に言う事ねぇのか!」
 ディアスの話などしたい筈がなかった。サドラーはウェルドに、仲間を救うよう暗に求めているのだ。それ
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