第六章
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しかったでしょうに」
「仕事は待ってはくれない」
彼は医師の抗議めいた言葉にもこう返すだけだった。
「だからだ。隠していた」
「その結果ですが」
「うむ」
あらためて医師の言葉を問うた。
「あとどれ位だ?」
「半年です」
言葉は冷然たる現実そのものだった。
「あと半年です。それさえももつかどうか」
「半年か」
彼はその残された時間をベッドの中で聞いた。
「それだけあれば。もう一仕事できるな」
「お休みになられるべきです」
これは医師としての言葉であった。
「さもなければ。半年ももちません」
「そこは何とかする」
頑として医師の言葉を受けようとはしない。
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