暁 〜小説投稿サイト〜
独裁政権
第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
しかったでしょうに」
「仕事は待ってはくれない」
 彼は医師の抗議めいた言葉にもこう返すだけだった。
「だからだ。隠していた」
「その結果ですが」
「うむ」
 あらためて医師の言葉を問うた。
「あとどれ位だ?」
「半年です」
 言葉は冷然たる現実そのものだった。
「あと半年です。それさえももつかどうか」
「半年か」
 彼はその残された時間をベッドの中で聞いた。
「それだけあれば。もう一仕事できるな」
「お休みになられるべきです」
 これは医師としての言葉であった。
「さもなければ。半年ももちません」
「そこは何とかする」
 頑として医師の言葉を受けようとはしない。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ