『祭』夕方〜夜
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ルデン・ドーン』の周囲に展開された無数の炎弾が……分裂した。元々多かった炎弾はさらにその数を増し、まるで空全体が燃えているような錯覚に陥る。
「な……」
『言ったでしょう?』
『ゴールデン・ドーン』はその右手を高く天に伸ばし、振り下ろした。周囲一帯を赤く照らし出す炎弾はその命令に従い……
『貴女に構っている時間はないって』
「しまった!」
楯無が気付いた時には炎弾はIS学園に向かって降り注ぎ始めた。それを見ていた楯無は、それでも炎弾を追うことはせずに『ゴールデン・ドーン』に向けて瞬時加速を発動させる。『ゴールデン・ドーン』さえ落とせれば炎弾は圧縮を維持出来ない。多少とは言え密度を失えば迎撃も楽になる。それに自分が亡国機業拘束に出たのは織斑先生も知っている。なら既に迎撃する部隊も上がっているはずだ。それを信じて楯無は動く。だがその行動を読んでいたのか、『ゴールデン・ドーン』が真下へと瞬時加速を行った。目標を失い楯無が急制動を掛けて再び『ゴールデン・ドーン』をセンサーで捉える。そこには既にステルスモードに移行しようとしている『ゴールデン・ドーン』が映し出されていた。
「待ちなさい!」
『ふふ、それじゃあね。更識楯無さん』
それだけ言うと『ゴールデン・ドーン』はセンサーから消えた。
「くっ!」
完全に遊ばれた。楯無はIS学園に所属しているがロシアの国家代表だ。当然相応の実力が無ければその地位にはいられない。事実楯無はその実力を持っている。その自分がこうも手玉に取られた。つまり相手の実力は国家代表を上回っているということだ。信じられないし、誰に話しても俄かには信じられないだろう。
しかしそれは……それでも今考えることではない。楯無は頭を振るとIS学園を守る生徒会長の役目を果たすために降下を開始した。
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