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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』夕方〜夜
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『蒼流旋』を再び構えてガトリングガンを撃ち込む。しかしその弾丸は炎弾に飲みこまれただけで爆発しない。

『さっきより圧縮濃度を上げてみたの。簡単には爆発しないわよ?』

「なら避けるまで!」

 楯無は無理に迎撃することをやめて炎弾を回避する。

『そうね、それが正しい判断。なら連続はどうするかしら?』

 『ゴールデン・ドーン』の周囲に楯無が放った水弾と同数程度の炎弾が出現し、それが一斉に動き出した。

「この……っ!」

 数発回避したところで避けきれない炎弾をアクア・ヴェールで受け止めようとする。しかし炎弾はそのアクア・ヴェールをなかったかのようにすり抜け楯無に直撃した。元々『霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)』は水をナノマシンで制御して防御、攻撃両方を兼任しているため装甲自体は他のISに比べ極端に少ない。その後も炎弾が連続で直撃し、楯無のシールドエネルギーがごっそりと削られてしまう。

『山火事にバケツの水を注いでも火は消せない。一定の水量なら炎は消せても、それ以上の熱量には蒸発してしまう。貴女の『アクア・ヴェール』では私の『ソリッド・フレア』は防げない』

 『ゴールデン・ドーン』から憐れむような、そして嘲るような声が聞こえる。彼女の言うとおり、楯無の『アクア・ヴェール』はしっかりと炎弾を受けたが蒸発し、受け止めるまでには至らなかった。炎弾同士がぶつかりあい楯無を中心に周囲一帯を轟音と共に爆炎が包みこんだ。『ゴールデン・ドーン』はしばらくその爆炎の中心を見つめていたが、その中心が円形に膨らんでいくのを見て少しだけ笑い声を漏らした。

「なるほど、私の機体とは相性は悪いみたいね。」

 爆炎を切り裂いて姿を現した楯無の右手には『蒼流旋』、左手には新たに蛇腹剣『ラスティー・ネイル』を展開している。

『さて、もっと遊んであげたいけど貴女に構っている時間はないの。そろそろ終わりにしましょう? 御嬢さん』

 『ゴールデン・ドーン』の周りに再び炎弾『ソリッド・フレア』が浮かび上がる。その光景に楯無は力を込めて飛びかかるタイミングを伺う。

(攻撃の時は最大の隙が出来る。そこを狙えば『ミストルティンの槍』の一撃で……)

 『ミストルティンの槍』、防御用のアクア・ナノマシンを一点集中して攻性成型し突撃する攻撃技だ。その特性上防御面は非常に薄くなるため楯無自身も危うくなる諸刃の剣。この短時間でこんな大技に頼るなんてこと楯無はしたくはない。しかしこの相手は強い上に機体の相性も悪い。なら自分の最大の技を使い短期決戦に持ち込むしかない。
 周囲に展開していたアクア・ナノマシンが楯無の正面に集まっていく。それを感じ取ったのか『ゴールデン・ドーン』から笑い声が聞こえた。

『ふふふ……』

 『ゴー
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