『祭』夕方〜夜
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」
思わず声を上げてしまう。超広範囲爆撃、異常のないところは緑で表示されるはずの地図が真っ赤に染まっていた。それは織斑先生の言った通り、IS学園全体が攻撃されているという証拠に他ならない。
私はそれを確認すると空へ上がるために天井の穴へと飛び込んだ。
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IS学園上空1万m。常人では息をするのさえ困難な場所で一人の女性が立っていた(・・・・・)。長身の長い金髪、身に着けた紫色のドレスはその女性の豊満な肉体を惜しみなく現しているが、今いる場所にあっているかと言われればNOだ。強風で乱れる髪を抑えながら女性が呟く。
「さて、時間ね」
女性の体が一瞬光に包まれ、次の瞬間にはフルフェイス型のバイザーと金色の鎧に長い尾を持つISを身に着けていた。『ゴールデン・ドーン』、それが機体の名前だ。黄昏時の赤い日差しが反射し、その金の鎧を余計に際立たせている。
彼女が右手を振ると周囲に6つの巨大な赤い球体が現れた。その球体1つ1つが触れれば岩さえも溶解する程の超高熱の炎弾だ。その炎弾を彼女は眼下に広がるIS学園に向けて躊躇なく放った。狙いはIS学園の6つあるアリーナ。降り注げば地下の更衣室まで突き抜けると思われるその炎弾は、放たれてすぐに轟音を上げて空中で爆発する。
「そこまでよ、亡国機業」
その声のする方に彼女は顔を向ける。そこにはIS学園生徒会長、更識楯無が自らの愛機『霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)』を纏って立っていた。右手に構えたランス『蒼流旋』に取り付けられた4門のガトリングガンから煙が上がっているのは今しがた炎弾を迎撃したからだろう。
『あら、IS学園の生徒会長さんが何のご用かしら?』
フルフェイスのせいで表情の見えなくなった女性の声が通信越しに楯無の耳に入る。
「IS学園襲撃の現行犯で貴女を拘束するわ。もちろん下にいる二人も一緒に」
『中々心躍るお誘いですけど、遠慮させて頂きますわ。それにそろそろ学園祭も終わりの時間でしょう? 閉会式の準備があるのではなくて?』
「心配無用よ、その前に貴女を捕まえる」
その言葉と共に楯無は周りに展開されていた水のヴェールを無数の超高圧水流弾に変化させ、それを『ゴールデン・ドーン』に向けて放った。正面から無数の水弾が迫る中、彼女は回避行動も取らずその場に佇んでいる。そしてその水弾が当たると思われた寸前、彼女の目の前で全て消滅した。
「な……」
『ふふ、その程度の水では私の結界は破れなくてよ』
『ゴールデン・ドーン』の手の平に先ほど楯無が迎撃したものより少し小さい程度の炎弾が出現し、楯無に向かって放たれた。楯無はそれを迎撃するために
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