暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』夕方〜夜
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
感だろうなぁ? まあ時間もねえし、さっきのガキみたいにISを引き剥がしたら一緒に殺してやっから今のうちに神様にでも祈っておきな!」

 その言葉は、私の覚悟を決めるのに十分な言葉だった。
 堪えていた両方の拳を相手に見せつけるように開く。

「は、どうする気だ? 武装を出したところでこっちに向けられねえぜ? 最後のあがきか?」

 これだけは使いたくなかったけど……外道相手に躊躇はしない!
 両手の手甲から『ユルルングル』を射出する。予想通り相手の『糸』に引っかかって鞭の先端は空中で制止した。

「それだけか? つまんねえ、もういいから死ね」

『アラクネ』が左手に再度鎌を展開して私に振り下ろす。私の予想が正しければこの『糸』は相手の装甲脚に繋がっている。じゃないと私をこの体制には出来ないしわざわざ装甲脚を動かす意味もない。なら、これで……
 相手の鎌が私に振り下ろされ時、『ユルルングル』が青白く光り強い衝撃が私と『アラクネ』を襲った。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

「うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 敵と私の叫び声が部屋中に響き渡る。
 今まで使ったことはないけど、『ユルルングル』は常人が一瞬で気を失う程の高圧電流を流すことが出来る。IS相手には操縦者に直接ダメージを与えたり、武装をその電圧で使用不能にさせることが出来るように搭載された能力。ただ私は操縦者自体にダメージを与えるというこの武装を故郷の訓練以外で一度も使ったことはなかった。
 『糸』で絡め取られ『ユルルングル』は青白い光と共に高圧電流を発し、部屋中に巡らされた『糸』はその電流で青白く輝き部屋中を照らし出す。そして『ユルルングル』で『糸』とつながっている私と、『糸』を直接出している『アラクネ』本体も高圧電流にさらされることになる。

「ぐおおおおおおおおおおおおお! こ、こいつ……くそがああああああああああああ!」

 『アラクネ』の装甲脚から白い煙が上がり始め、それを見た相手が装甲脚から何かを排出した。どうやら『糸』を本体から切り離したようで私の体が空中に投げ出されたのを感じ、電流を止める。装甲脚の半分ほどは電圧のせいで使用不能になったようで思うように動かせていない。私も体中が痺れていてまともに動かない。ただ『糸』を本体内部から出していた『アラクネ』よりは私の方が多少マシのはずだ。
 
「おらぁ!」

「が!」

 そう思って顔を上げた途端その顔を蹴り上げられた。手加減する気も無いようで絶対防御が発動して衝撃を緩和してくれる。

「殺す!」

 頭を振って後ずさり相手を確認する。全身から白い煙を上げる『アラクネ』は、それでもゆっくりと
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ