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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』夕方〜夜
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回避し、ジャミング装置の稼働時間を延長しつつ盾を相手に向ける。『オーガスタス』の先端が開き、更衣室中に濃い煙幕と小型ジャミング装置を撃ちだした。

「あぁん? 煙幕だぁ!?」

相手の面倒そうな声が聞こえる。
こういう限定空間なら『オーガスタス』の煙幕&ジャミングは最大の効果を発揮してくれる。今のうちに一夏さんを救出して撤収するために一夏さんを拾うと更衣室の端っこをロッカーに隠れるようにして移動…… 

「うぜえ!」

「なっ!」

 一夏さんを入口近くまで運んだ時、爆発音と共に部屋中の煙が晴れた。振り向くと相手は自分の周囲の壁に炸裂弾を撃ちこんだようで更衣室の壁のあちこちに黒く焦げた穴が開いている。『アラクネ』の不気味な仮面が部屋中ぐるりと見渡して私たちを見つけ、向き直ってきた。

「ははっ、なるほどなあ。勝てねえから逃げるってか。悪い選択肢じゃねえぜ。だがこの私から逃げられるって考えは甘いんだよ!」

 再び装甲脚の先端から放たれた銃弾を回避して何とか更衣室の入口までたどり着く。でも一夏さんは自力じゃ動けないし、ここで私が時間を稼ぐしかない。

「カ、カルラ……」

「一夏さんは早く外に出て! 誰か助けを呼んできてください!」

 一夏さんの性格上そんなことを絶対しないのは分かっているけど叫ばずにはいられない。一夏さんの方を見ないでそれだけ言うと私は『エスペランス』を腰に戻し、代わりに『マリージュラ』を引き抜く。

「かっ! 逃がさねえって言ってんだろ!」

 叫び声とともに再び正面から飛来するロッカーを先ほどと同じように盾で横に弾いた。

「てめえむかつくぜ。お友達のために命張るってか?」

 何故か攻撃が止んで『アラクネ』がこちらに話しかけてきた。

「それが何か?」

「ああ、気に入らねえな。人間誰もが自分が一番可愛いもんだ」

 相手はいらだったように天井に装甲脚を突き立てていく。そして本物の蜘蛛のように装甲脚の力だけで天井に逆さにぶら下がった。アラクネの仮面上のバイザーのせいで顔は見えないけど相手の長い黒の髪の毛が重力に惹かれて地面へと延びる。

「てめえも自分の命が大事って言う本質は変わらねえはずだぜ。自己満足で命張るつもりか? 私は無駄な戦いはしない主義なんだ。一丁取引と行かないか?」

「取引?」

 応じるつもりは端から無い。私は相手から一夏さんを見えないように盾を持ち上げて右手で剣を扉に振って外に出ろと合図をする。ジャミング装置は破壊されていないので今ならばれないはず。それにしても声の苛立ち具合からこんな交渉したくないっていうのが丸分かりだ。それでも私は時間を稼ぐために一応返事はする。

「てめえが今使ってるIS、オーストラリアの『デザート・ホーク・
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