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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『祭』夕方〜夜
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「っとぉ、お客さんかよ」

「一夏さん!?」

 一夏さんは何故か『白式』を展開しておらず、『アラクネ』の右手には菱型立体の白く輝く結晶体が浮かんでいる。あれは……まさかISのコア!? そんな、どうやって他人のISのコアを抜いたんですか!?

「まあ待てよ、こいつを殺したら次はてめえだ!」

 そんなことを考えているうちに『アラクネ』は一夏さんに左手の銃口を向ける。それを見た瞬間私は右手の『イェーガン』を振りかぶって『アラクネ』に投擲した。

「ち、うぜぇ!」

 コアを持っている右手が使えないため『アラクネ』は体を少し回転させて左腕で『イェーガン』を打ち払った。その瞬間に私は瞬時加速を発動させると同時に右手で膝の『アドレード』を引き抜き、槍を打ち払った『アラクネ』の左肘の装甲の隙間に突き刺し跳ね上げる。相手がその腕を戻すよりも早く私は地面に転がっている一夏さんを抱えて部屋の奥へと駆け抜けた。

「へぇ……」

 『アラクネ』が刺さっているナイフを背後の装甲脚で引き抜いてこちらを見る。私は一夏さんを後ろに降ろすと庇うように『オーガスタス』を相手に向かって構えた。

「げほ……カルラ……逃げろ……」

「馬鹿なこと言わないでください!」

「おうおう、泣かせる友情ごっこじゃねえか。そんなに殺されてえならお望み通りしてやるぜ!」

 声と同時に『アラクネ』は装甲脚の一本で近くのロッカーを突き刺すと、それをこちらに投げつけてきた。猛スピードで迫るロッカーを盾で右側に打ち払う。ロッカーのひしゃげる音を聞きながら、目の前に迫る複数の装甲脚の先端から飛来する銃撃を、再度盾を使い防ぐ。同時に回り込んできたエネルギークロウを展開した装甲脚を1歩だけ下がって回避しつつ『エスペランス』を右手で引き抜き散弾を撃ち込んだ。威力が足りないのか装甲脚は破壊することはできなかったが弾き飛ばせたので、盾を前面に出し背中のブースターを吹かすことで突進を掛ける。
 
「ほう、そこのガキよりちっとはやるじゃねえか。さっきよりは面白れえぜ!」

 相手は装甲脚ではなく左手に鎌のような近接武装を展開して私の突進を受け止めた。瞬時加速とまでは行かなくても弾き飛ばすくらいの勢いで行ったのに正面から受け止められた。この人、やっぱり強い。
 密着状態で盾を振り切ることで相手の態勢を崩そうとするがそれも上手くいなされてしまった。

「おらおら、私の方だけ見てていいのかよ!」

「ぐ!」

 先ほど弾いた装甲脚が私の後ろから襲い掛かる。身を翻すが左肩の装甲を弾き飛ばされた。さすがに密着している状態で自分ごと撃つような真似はしないみたいだけど近接戦闘では多数の足を持っている相手が有利。再度襲い掛かってきた装甲脚を天井すれすれまで飛びあがることで
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