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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第9話 戻ってこない日常
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「なんでや!! 誘ってきたのは雄一だろう!?」
「ええい!! 最早、そんなことはどうでもいい!! 一発殺らせろ!!」
雄一がとんでもない事を言ってきた。



「ええ!? 初めてが男とかトラウマだよ!! 履歴書に「男性経験あり」とか書かないといけないじゃん!!」
「そっちの「犯らせろ」じゃねえよ!!! こっちの「殺らせろ」だよ!! それに履歴書にそんなもんかくんじゃねえよ!!」



日本語って難しいね。








学校からの帰り道――


「はあ……雄一には殺られかけるし、中間テストも近づいてきたし、嫌な事ばかり起こるな……」
勇人が俯きながら寮へ帰っていた。


「ちょっと―!! そこのキミー!」
誰かが誰かを呼びとめている。
(なんだ? 中年で無職のおっさんが小学生をいやらしい目つきでみてたのか?)


「りこりんだよぉー!」
変わった名前だな……。あだ名かな?


「ちょ、ちょっとー! 無言で歩いていかないでよぉー」
「え? 僕?」
振り返ると金髪で島麒麟のように制服を改造している女子生徒が立っていた。


「やっと気づいてくれた〜」
「あの……髪を染めているような不良とは付き合わないようにしているんで……」
直感でわかる、この人は話してると疲れるタイプだ。


「染めてるってひどっ! これは地毛だよ!!」


「はあ……用件はなんですか、峰先輩……」
「あ、理子のこと知ってるんだぁー。キミ、理子のファンだなー?」
「……さようなら」
「ゴメンったらー! だから、行かないでぇー」
僕がこの人のことを知っているのは、単にこの人が有名だからだ。
探偵科Aランク、峰理子。
まあ、おバカキャラってやつだ。猫被ってるけどね。


「だったら、早く用件を言ってください。猫なんて被ってないで」




「くふふ、やっぱり面白いねぇー。天原勇人、おまえに話がある」
「話……ですか?」
「そうだ、おまえに話がある」
先ほどとは違って、男のような口調で話す峰先輩。


「あなたにはあるかもしれませんが僕には無いです。」
そう言って、帰ろうとした時だった。


バン!


「いてっ」
撃たれた。


「何をするんですか!? あなたは理不尽ですね!!」
「悪いが、聞いてもらう。おまえにも関係あることだ」
(何言ってるのこの人……さっきまで赤の他人だったじゃん)


「そう、『イ・ウー』のな」
また、イ・ウーか……面倒だな。って、ええ!?この人もまさか……


「勧誘にでも来たんですか? 一応言っておきますが絶対に入りませんからね。大体、あなたの様にいきなり撃ってくるような、理不尽が服着て歩いて
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