暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第十三話 白銀のオーラ
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の拳を一直線に突き出した。


「グッ・・・・・・!」


 ノックバックが発生し、距離が空く。その間にライトは気だるそうな声で隣のPoHに話しかけた。


「PoH。加勢してあげるからさっさと片付けるよ」


「てめぇ、さっきまで完全に傍観する気だったろうがよ」


 PoHはライトを睨みながら吐き捨てるが、当人は目が合わないよう逸らしながら、


「・・・・・・そんなことはどうでもいいよ」


 ボソッとぼやくライトを見たPoHは諦め、叫んだ。


「ふん・・・・・・まあいい。そんじゃフィナーレと行くか!!」


「上等だ。二人まとめて相手にしてやる!!」


 リオンは鼻で笑うと、余裕の表情を見せた。
 しかし、実はその表情とは反面、心の中ではかなり焦っていた。


(まずいな・・・・・・そろそろこのモードが解ける。PoH一人なら必要ないと思って、発動前にポーション飲まなかったのがあだになったな・・・・・・)


 このスキルは様々な武器を作り出すことができるが、その対価として、発動中はHPが毒のように毎秒削られていく。
 そのため、HPが1になってしまえば、対価が払えなくなくなり、自動的にスキルが解除されてしまう。それに加え、副作用として、しばらくの間、結晶での回復はできなくなる。
 唯一ポーションでのみ回復させることができるが、この二人と戦闘をしながら使用することはまず不可能だろう。
 HPバーに目をやれば、残りはすでに五割を下回り、イエローに変色していた。


(このHPからして、もって一分・・・・・・しかも攻撃を一撃でもくらえばさらに短くなるし、下手すりゃそのままゲームオーバーだ)


 それに加え、危惧すべき点がもう一つあった。それはあのライトと言う男の実力。
 先ほど剣を交えて分かったが、確実に俺と同等かそれ以上の力を持っているだろう。


(アレを使ったとしても副作用で俺は多分死ぬだろうな。かと言って、このまま殺りあえば死ぬのは必至か・・・・・・)


 リオンは一瞬だけ目を閉じた後、いまだに麻痺が解けないアリスの方に振り返り、一言呟いた。


「ごめんな」


「え・・・・・・?」


 アリスはその何かを覚悟した目を見た時、嫌な予感を覚えた。そして気づいた。リオンのHPがすでに半分をきってイエローに突入していることに。しかもそのHPが少しずつ減っていることにも。


「リオン・・・・・・あなたまさか・・・・・・」


 理解してしまった。今の謝罪の意味を。すぐに身体を動かそうとするが、相当強い毒が使用されたのか五分以上たった今も身体が動かなかった。


(まだ!? まだ毒は消えないんですか!? 
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