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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
乙 H
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た。
「飛鳥・・・分かるってことは、経験が?」
「ないわよ。」
「ちなみに、私も。」
「あ、私もです。」
「私もだな。」
「なら、何で分かるのですか・・・」
ごもっともな意見ではあるのだが、スレイブはそれほどまでにあからさまである、ということなのだろう。
そして、そのまま四人の好奇の視線にさらされて、スレイブは普段考えていない感情に視点を当てざるをえなくなっていき・・・
「・・・(ぷしゅ〜〜〜〜〜!!)」
「あ、スレイブが剣になったわよ!」
「さわらないように気をつけて。切れ味抜群だから・・・って、意外と重いのね、大剣って・・・」
そう言いながら、音央は刃に触らないように柄を慎重に持って風呂を上がっていく。
その横に鳴央も着いていき、何かあっても対応できる体制である。
そして、残ったメンバーは・・・
「なんと言うか・・・スレイブ、中々にかわいい反応ね。」
「うん。普段クールな感じだから、たまにああなると中々面白い。」
「YES!そして、あんな子に慕われている一輝さんは幸せ者ですね!」
黒ウサギの一言で、話の矛先が一輝に向かった。
「そういえば、一輝君の周りって中々に個性的なメンバーが集まってるのよね。」
「というより、あれは人に好かれやすいんだと思う。」
「その好かれる、の方向性が一つではない、ということですね。」
「そうだな。元の世界でも、様々な友人がいたのではないだろうか。」
レティシアの予想は、かなりの面において当たっている。
だがしかし、そうでないめんが有るのもまた事実だ。
いろいろなところで、恨みも買っている。
「そういえば・・・一輝は、箱庭にきたことについて何か思ってたりはするのかな?」
「というと?」
「ほら。今の話があたってるなら、元の世界にも未練があるんじゃ・・・」
「・・・それはない、と言っていましたよ。」
耀の疑問には、戻ってきた鳴央が答えた。
「鳴央さん!スレイブさんは大丈夫なのですか?」
「はい。音央ちゃんが一輝さんのところに連れて行くと言っていました。私は、何か一輝さんについて話しているから聞いてくるように、と。」
そう言いながら、鳴央は再び湯船に浸かる。
「一輝さんは元々、家族を失った時点でどこにいても変わらない、と考えているみたいで。」
「・・・そう、なのですか。」
「はい。だから、この世界・・・箱庭の世界は、無駄なことを考えずに済むから居心地がいい、だそうです。」
その言葉には、一輝が何か大きなものを背負っているということが分かりやすく表れていたのだが・・・それについて聞ける人は、ここにはいなかった。
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