決闘-ファイト-
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学園の長たるオールド・オスマンは平民にも良くしてくれる人物らしかった。サイトはその人物に興味を抱く。
「ミス・ヴァリエールもそういった、敬られるに相応しい立派な貴族になろうとしているんだと思いますよ。実際、私はあの方を貴族様の中で尊敬しているんです」
「え、そうなの?」
あのルイズを!?サイトは目を丸くした。
「ええ、私もお世話になったんことがあるんです」
シエスタの話によると、彼女は以前ある男子生徒に絡まれたことがあったらしい。目的はシエスタを自分のメイドにする…というのは建前で、実際はシエスタを自分の慰み者にしようとした下劣な目的があったという。もちろんこれは立派な校則違反だ。貴族たるもの、平民相手に規範となるべく精進するのが最も理想的。だが、権力を持って調子に乗るあまり、自分より身分の低いものを相手に暴威を振るうこともある。無論、他の連中の目の届かぬよう狡猾に見謀らないながら、だ。
貴族に逆らえない立場のシエスタでもそんなのは嫌だが、相手が貴族では断ることもできない。「先生に報告しますよ!」と言っても、必ずしも聞き入れられるわけではないのだ。中には「貴族を悪く言う平民には罰を与えるべきだ」などと抜かし、結局平民が泣きを見るパターンも少なからずあるのだから。
どうしたものかと思った時、ルイズが現れてその男子生徒を爆発魔法で退けた。その後ルイズは同級生を傷つけたとして罰則を受けたのだが、その男子生徒は学校の風紀を乱し、未遂とはいえ貴族にあるまじき婦女暴行罪で学院を退学させられたという。自分が罰を受けることも顧みず自分を助けてくれたルイズに、シエスタは大きな恩義を感じていた。
あのルイズが…。自分が思っているような、ただの高慢ちきな女じゃなかったのか。ほんの少しだったが、サイトはルイズへの認識を改めた。でも同時に思う。シエスタを助けるだけの優しさがあったのなら、少しくらい俺に分けたっていいのに…よくわからん。
食べ終わると、シエスタはサイトに微笑みながら食器の片づけをしはじめた。
「なぁシエスタ。食わしてもらった礼に何か手伝うよ」
食わせてもらってばかりでは申し訳ない。サイトはシエスタに手伝いを申し出た。
「ホントですか?じゃあデザート運ぶの、手伝ってくださいな」
「ああ、いいよ」
二人とシエスタはデザートのケーキを配り始めた。ちなみにちゃっかりケーキが余ったら貰う約束まで取り付けた。
(良心ゼロ…ね…)
いつまでもいじけているわけにもいかず、ルイズは一人校庭を歩いていた。
(確かに、床の上とかは…流石にやりすぎたわね。あいつにだってそりゃ、考えてみればあいつ自身の事情とかもあっただろうし…それを無視して、当たり散らして…あんなところ、お母様や姉様も見てたら…)
使い魔は召喚したメイジにとって
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