8.手合わせ(後)
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シグナムを倒す最善手を実行する。
彼女はレヴァンティンを掴んだままペイルライダーをシグナムが居る方向とは逆に疾走させる。
それに対して流石のシグナムも炎を纏うレヴァンティンを素手で掴むという無茶を通り越した無謀に軽く動揺し、判断を誤った。
レヴァンティンを彼女に掴まれたまま彼女の使い魔は逆の方向に駆け出した事で、蛇尾○みたくやたらと長く鞭状になっているレヴァンティンとはいえ限度がある。
元々最大レンジが中距離の技で、遠距離に攻撃出来る長さはシュランゲフォームには無い。
故に、シュランゲフォームの長さの最大値を彼女とシグナムの間合いが越えたらどうなるかは一つ、伸びきり長さの余裕が無くなる。
糸電話の糸みたくピンッ!と伸ばされたレヴァンティンをどうするか。
この選択をシグナムは誤った。
通常時のシグナムならばしなかったであろう、引っ張られたレヴァンティンを反射的に踏ん張り引っ張り返すという選択を無意識に取ってしまったのだった。
シグナム自身、行いその選択の愚かさを覚る。
何せレヴァンティンを掴む彼女は空を駆ける化物馬に乗って逆走しているのだ。
如何にシグナムが優秀な騎士で強力な防衛プログラムの一つだった過去があろうと、単純な馬力が違う。
直ぐ様シグナムでは抗いきれない力でレヴァンティンが引っ張られる。
このまま力比べを続けてもシグナムの肩と腕がイカれるか、最悪レヴァンティンが大破しかねない。
シグナムはレヴァンティンを放す事でその両方の未来を仮定のモノにした。
騎士として得物をこんな形で奪われるのは屈辱であるが、同時に相手の剛胆さと柔軟さを評価する。
高速で飛来する《飛竜一閃》を掴み手が焼けていく痛みに耐えながら瞬間的な判断でレヴァンティンの限界値まで一気に距離を取る。
普通の人間には出来ない、いやまずやらない事だ。
何にしろ、得物を持っていても攻めきれなかった相手に無手で戦いを続けても相手になるまいと素直に自身の敗北を認めたシグナムは降参の異を示した。
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