8.手合わせ(後)
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
(くっ!何だ、今のは……!?《シュランゲバイゼン》が無海に届く間際に出て来たアレ等が原因か?)
今、シグナムは地面に倒れ伏している。
それも彼女から攻撃を喰らいダウンしたのでは無く、シグナム自身が転び、受け身も取れなかったのだ。
あまりの事で先程はコントロールを多少乱す程度だったが、今度は魔法の維持も出来ず、レヴァンティンも通常フォームに戻っている。
シグナムは当時闇の書と呼ばれていた夜天の書の守護騎士ヴォルケンリッターとして古代ベルカ戦乱の時代も経験してきた歴戦の勇者であり、今の様な原因不明な攻撃も経験した事はある。
その中では古代ベルカで蒐集した魔女の呪いが一番近いだろうが、それもトリガーとなる特定の条件を満たす事が必須条件、ただ転ばせるだけとはいえ、ここまで強制力を持った呪いを小型の使い魔二体程度が扱えるとはシグナムには思えなかった。
実際のトコロ、シグナムの推測通り《ジャックブラザーズ》の効果は使用者が意図的に除いた対象以外、《ジャックブラザーズ》を視界に入れていた者全員をダウンさせる呪いの属性を持った無差別攻撃。
魔女が扱う呪いとして検証すれば規格外に見えるこの《ジャックブラザーズ》だが、本来なら原則的に一体ずつでしか使役出来ないペルソナを二体同時に扱う絶技、ミックスレイドである事を知っていれば不思議な事ではない。
彼女と同じ『ワイルド』の力を持ったもう一人の救世主、絶対的な力を持つ力を司る者達でさえ、このミックスレイドは扱えないのを念頭におけば、どれだけ規格外かが分かるというもの。
つまりは規格外な人物が放つ規格外な絶技で発生した技が、どれだけ規格外でもおかしくはないということ。
だが、そんな事は知らないシグナムは謎の攻撃について推測を重ねながらも、無理矢理身体を起こして彼女の姿を探す。
シグナムが倒れ起き出すまでは大体三秒程だったが、その三秒の間に彼女は一気に接近しており、後少しで自身が投擲した薙刀を掴める距離に居た。
同然シグナムはそれを妨害する為に、炎の魔力を上乗せした一撃《飛竜一閃》を放とうとレヴァンティンを構えた瞬間、突如横から攻撃してくる彼女とは別の対象がいた。
それはジャックブラザーズのカボチャ、ジャックランタンだった。
ジャックランタンはその手に持つランタンから放つ《アギラオ》でシグナムを強襲するが、シグナムの危機関知能力が上回り間一髪《アギラオ》を回避する。
攻撃は避けられたものの、その間に彼女は薙刀を回収し終え、ジャックランタンも『ヒホホ〜』と笑い声をあげてシグナムに《突撃》する。
実質一対二へと不利に追い込まれたシグナムはジャックランタンのスピードが早くないのも確認した上で、飛行して宙へ浮く。
如何に彼女が強く使い魔を使役し
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ