暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
ティアナの場合 CASE-1
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それは、ある冬の日の出来事だった。
ティアナはたまの休暇をクラナガン中心部の繁華街で
ウィンドウショッピングをして過ごしていた。
この日は一際寒い一日で風も強く、ティアナの着込んでいる白いコートのすそは
ひらひらとはためいていた。

(ったく、なんで一人寂しくウィンドウショッピングなんかしなきゃいけないのよ。
はぁ・・・・・)

彼女は自分の置かれた境遇に対して心の中で悪態をつきつつ、通りに面した店の
ショーウィンドウに目をやりつつ
歩道に積もった雪をヒールのつま先で蹴飛ばしながら闊歩する。

(まったく。 ついてないわよね、あたしもスバルも)

実のところ、彼女は最初から独りで休暇を過ごす予定ではなかった。
当初は親友であるスバルとランチを食べ、夕方までいろいろと遊び歩く
予定にしていた。
ところが、クラナガンには珍しい大雪のせいで交通事故が多発し、
救助隊に所属するスバルはランチを終えたあとに
呼び出しを受けてしまったのである。
かくして取り残される形になったティアナではあるが、さりとてすぐに
帰る気にもなれず独りで街を闊歩することに決めた。

(やっぱり、一人で出歩いてもつまんないわね)

夕方が近くなり、気温が下がってくるにしたがってティアナの気分も
降下してきていた。

(もういいや。さっさと帰ろう・・・)

最寄の駅に向かうべく踵を返そうとしたティアナであったが、雪の積もった路面と
ヒールの間の摩擦力はその動きを支えるには些か不足していた。
即ちティアナのヒールは路面の上を滑り、ティアナはバランスを崩してしまう。

(うそっ!)

一度崩れてしまったバランスを立て直すには、雪が積もった歩道もティアナが
ヒールを履いていたのも悪条件すぎた。
すぐにティアナの身体は後ろに向かって倒れていき、ティアナは転倒の衝撃を
覚悟した。

(あれ?)

ところが一向に衝撃が襲ってくることはなく、不思議に思ったティアナは
自分の身体が誰かに支えられていることに気がついた。

「大丈夫ですか?」

後から男の声が聞こえてきて、ティアナは自分の足で立つと後を振り返った。

「すいません、ありがとうございます・・・ってゲオルグさんじゃないですか!?」

「ティアナだったのか。 全然わからなかったぞ」

機動6課時代には彼女の上司であったゲオルグがびっくりした様子で
ティアナを見ていた。

「だめだぞ、雪道はすべりやすいんだから気をつけないと」

「はい・・・すいません」

ゲオルグの説教めいた言葉にティアナはシュンとして肩を落とす。
そんなティアナの様子を見かねたゲオルグは、殊更明るい声でティアナに
話しかけた。

「ところで、どうして
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