暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
ティアナの場合 CASE-1
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身体を震わせたことを、
ティアナはコート越しに感じ取る。

寒風にさらされた廊下にはうっすらと雪が積もっていて、酒のせいか、
はたまた現在の状況のせいかぼーっとしていたティアナは足を滑らせてしまう。

「おっ・・・・・と」

後ろ向きに転びかけたティアナの身体をゲオルグが腰に手を回して
やさしく抱きとめる。

「お前、実は相当酔ってるな?」

ティアナの身体を支えるゲオルグが尋ねるが、ティアナは焦点の合っていないような
目線でゲオルグの顔をじっと見つめるばかりだった。
ゲオルグはそんなティアナの様子に対して小さくため息をつくと、
少しかがんでティアナのひざの裏辺りに腕を回すと、
そのままティアナを抱き上げた。

急に近くなった想い人の顔におどろきティアナは我に返る。

「へっ!? えーっ!?」

慌てて身をよじろうとするティアナを支えようとゲオルグは足を広げて
踏ん張りつつ、ティアナに声をかける。

「あんまり動くな。 うっかりお前を落としたら大変だろ」

真剣な顔で言うゲオルグに対してティアナは小さく頷くと、身動きするのをやめた。

「あとな、俺の首に腕をまわしてくれると助かるんだけど・・・できるか?」

ティアナはその問いにも無言で頷き、ゲオルグの首に腕を回す。
腕にかかる体重が少し軽くなったのか、ゲオルグは安どの表情を見せた。
そしてそのまま歩き出すと、すぐにティアナの部屋の前まで来た。

「あっ、ここです」

ティアナの言葉にゲオルグは足を止め、ティアナはドアの脇にあるプレートに
右手の親指を押し当てた。
指紋認証と魔力パターン認証を併用したロックシステムがロックを解除し
ドアを開けた。

「ここからは大丈夫だよな?」

ティアナの顔を覗き込むようにしながら尋ねるゲオルグに向かって首を横に振る。
するとゲオルグは苦笑を浮かべて肩をすくめた。

「甘えすぎ。 ま、今日だけな」

そう言ってゲオルグはティアナを抱き上げたまま部屋の中へと入っていく。

ティアナの部屋はワンルームタイプの部屋で、入ってすぐに小さなキッチンと
バス・トイレへのドア、奥にはそれなりの広さをもつメインルームがある。

ティアナをお姫様抱っこしたゲオルグはそのメインルームへと足を踏み入れた。
照明がついていないために暗い部屋ではあるが、こぎれいに整理されている
部屋であった。
その片隅におかれたベッドに歩み寄ると、ゲオルグは抱きかかえていたティアナを
そっとベッドに下ろした。

「ふぅ」

ゲオルグは小さく息を吐くとグッと背伸びをして腰をトンとたたく。
さすがに大の女性一人を運ぶのは堪えるようである。

「じゃあ、俺は帰るからな」

そう言ってゲオ
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