暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
ティアナの場合 CASE-1
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ん? ああ、晩飯でも食おうかと思ってね」

「え? 夕飯ですか? 家で食べてるんじゃないんですか?」

以前シュミット邸を訪ねたときになのはの手料理をご馳走になったことのある
ティアナはゲオルグの言葉を意外に思って尋ねる。
すると、ゲオルグを苦笑を浮かべてティアナに顔を向けた。

「なのはが子供たちを連れて実家に帰っててね。 一人分の飯を作るのも面倒だし
 侘しいから外で食べようと思ったんだよ」

「でも、だったらなんでこんなところまで?」

シュミット邸からここまでは近いとはいえない距離にある。
車でも電車でも約30ほどで、遠いとはいえないまでもちょっと食事を摂るのに
出かけるには近いとはいえない距離である。
それを知るティアナが尋ねるとゲオルグは肩をすくめた。

「最初は近場で済ませようとは思ってたんだよ。 けどな、せっかく外出するなら
 美味いものを食べたいだろ」

「それでここまで来たんですか?」

ティアナが呆れたような目を向けるとゲオルグは苦笑して頷いた。

「なんか、贅沢ですね」

「かもな。 でもそのおかげでティアナと会えて、一人寂しく晩飯を食べるのを
 回避できたんだからハッピーだよ」

「なら私はそのおかげでゲオルグさんにおごってもらえるんですから、
 感謝しないといけませんね」

「雪道でしりもちをつくのも回避できたしな」

ニヤッと笑いながらゲオルグが言うと、ティアナはムッとした表情になった。

「もう、茶化さないでくださいよ!!」

そう言って頬を膨らませるティアナの頭をゲオルグは笑いながらぽんと
軽くたたいた。





それから20分ほど歩いたところでゲオルグの足が止まった。
そこには石造りの外装をした、伝統的なベルカ様式の建物が建っていた。
ニスの光沢で鈍く光る木製の扉には、落ち着いた雰囲気とは裏腹に凝った装飾が
施されていた。
その脇には店名を示す木製の看板が控えめに軒から下げられている。

ゲオルグは扉を引いて開けると、ティアナのほうを振り返る。

「どうぞ、お嬢様」

芝居がかった口調で言うゲオルグにティアナは苦笑する。

「ありがとうございます」

店内に入るとティアナはその雰囲気に目を見張った。
外装と同じく石造りの壁には木でできた窓枠にすりガラスがはめられた窓がある。
奥には暖炉があり、正面には木製のカウンター。
10個ほどあるテーブルはどれも木製で、それぞれにランプを模した照明が
置かれていた。

「落ち着いた雰囲気のお店ですね」

ティアナが後を振り返りながらそう言うとゲオルグはニコッと笑って頷く。

「いらっしゃいませ」

そのとき、カウンターの奥からウェイターが出て
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