暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
ティアナの場合 CASE-1
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?」

ゲオルグに尋ねられたティアナは、少し考えた後で首を横に振った。

「よかったら歩きませんか? それに私が足を滑らせても、またゲオルグさんが
 助けてくれますよね?」

「そりゃもちろん助けるけど、いいのか?」

再びゲオルグに尋ねられ、今度は首を縦に振る。

「じゃあ歩きますか」

そう言ってゲオルグは歩道をゆっくりとした歩調で歩き始める。
ティアナはゲオルグの隣を歩きながらゲオルグの顔を見上げた。

穏やかな目でまっすぐ前を見つめるゲオルグの横顔。
本来は白い肌を持つゲオルグであるが、寒さゆえか頬が赤く染まっていた。

(うぅっ・・・幸せ。 スバルには悪いけど雪に感謝ね)

そのとき、ティアナの視線に気がついたゲオルグがティアナのほうに目を向ける。

「どうした?」

急に目が合ってびっくりしたティアナの頬がとたんに朱に染まる。

「えっ!? な、なんでもないです・・・・・」

そう言って慌てて前を向くティアナ。
その様子を不審に思ったゲオルグは正面に回りこんで、ティアナの顔を
じっと覗き込む。

「お前、顔赤いぞ。 大丈夫か?」

「だ、大丈夫ですって!」

そう言って目線をそらすティアナ。
するとゲオルグはつけていた手袋を外してティアナの頬に片手を添えて
顔を近づける。

(ええっ!?)

驚いたティアナは思わず眼をつぶった。
次の瞬間、ゲオルグの手がティアナの額に触れる。
恐る恐る目を開いたティアナの目の前にゲオルグの顔があった。

「熱はないみたいだな・・・・・」

真剣な顔をして言うゲオルグの顔を間近で見ることになり、
ティアナは身を固くしていた。

(顔近いですって!)

想い人の顔を間近で見せられることで、胸の鼓動が早くなる。
耐え切れなくなったティアナはゲオルグの肩に手を置くと、
ぐっと突っ張るようにして距離をとった。

「だから大丈夫って言ってるじゃないですか!
 顔が赤いのは寒いせいですよ、きっと!」

慌てて言ったためにティアナの言葉は少し怒気を含んでるような響きもあった。

「・・・ならいいけど」

ゲオルグもそうとったようで、肩をすくめて再び歩き出した。
ゲオルグの隣を歩きつつ、ティアナは少し肩を落として内心でため息をつく。

(はぁ・・・。 せっかくゲオルグさんが心配してくれたのに、
 さっきの態度はないわよね。
 なんでアタシっていっつもこうなのかしら・・・・・)
 
無言のまま雪道を歩く2人。
さすがに重い空気に耐え切れなくなったティアナは、その空気を打破しようと
ゲオルグに話しかける。

「ところで、ゲオルグさんはなんでこんなところに一人でいたんですか?」


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