暁 〜小説投稿サイト〜
副部隊長と戦技教導官の色ボケな日々
<2:if編>
ティアナの場合 CASE-1
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ティアナは独りでこんなところを歩いてるんだ?
 しかもこんな天気の日に」

「実は・・・」

そういってティアナは自分がここにいる経緯を説明し始めた。
ティアナの話を聞き終えたゲオルグは苦笑しながらティアナの肩に手を置いた。

「ついてないな、お前」

「ほっといてくださいよ!」

ゲオルグの言い方が癇に障ったティアナは、恨めしそうな目でゲオルグを
見ながら声を荒げる。

「悪かったよ。 できればお詫びをしたいんだが、何か望みはあるか?」

ゲオルグにそう尋ねられ、ティアナはしばし考え込む。
そして何をねだるかを決めると、ゲオルグの顔を見上げてその目をまっすぐに見た。

「じゃあ、ディナーをおごってください。 とびきり美味しいのを」

微笑を浮かべるゲオルグにティアナがそう言うと、ゲオルグは少し困ったような
表情を浮かべる。

「ディナーか・・・・・」

「ダメ・・・ですか?」

上目遣いでゲオルグの顔を見上げながらおずおずとティアナが尋ねると、
ゲオルグは降参というように小さく両手を挙げた。

「わかったよ。 俺の知ってる店でよければ」

「本当ですか? ありがとうございます」

ティアナは満面の笑みを浮かべてぺこっと頭を下げた。
その様子を見ていたゲオルグの顔には苦笑が浮かんでいた。

「はいはい。 じゃあ店に連絡を取るからちょっと待ってくれな」

ゲオルグはそう言うと懐から通信端末を取り出し、ティアナから少し離れた場所で
ティアナに背を向けて電話を掛け始めた。
その背中を見るティアナの顔は、ほんのりと赤く染まっていた。

(ゲオルグさんとディナーかぁ・・・・・ふふっ)

ティアナは高揚する自分の気持ちを抑えつけるように胸の辺りに手を当てた。

(うわっ、ドキドキしてる・・・・・。 そりゃそうよね。 好きな人と
 2人きりでディナーなんて、デートみたいだもの)

そうこうしているうちに店への連絡を終えたゲオルグが振り返って
ティアナのもとへと戻ってくる。
その顔には笑みが浮かんでいて、親指をグッと立てた右手をティアナのほうに
突き出していた。

その笑みを見たティアナは自分もゲオルグに向かって微笑みながら、
高鳴りを増す自分の胸に不安すら覚えていた。

(今かなりドキッとしちゃった・・・。大丈夫かしら・・・・・)

そしてティアナのそばまで戻ってきたゲオルグは、にこやかな表情を崩すことなく
ティアナに話しかける。

「店はとれたから、少し早いけど行くか?」

「そうですね。 お店はどのあたりなんですか?」

「ここから歩いて20分くらいのとこだけど、タクシーで行くか。
 また足を滑らせてさっきみたいになるのもイヤだろ
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