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ジェネレーション=ミュージック
第一章
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。彼にとっては悩みの種である。
「まあそうかもな」
「そうかもじゃなくて事実だから」
「お父さんの若い時だってそうだったから」
 美智代とお母さんの追い討ちは続く。
「あんたもね。絶対にね」
「禿げるんだって」
「ちっ、あんな頭になるのかよ」
 二人に言われてついついその父親の頭を思い浮かべた。
「ぞっとするぜ、ったくよお」
「けれどお兄ちゃん」
「何だよ、今度は」
「さっきのお母さんの言葉だけれど」
「もう禿げるのはわかったからいいだろ?」
「違うわよ。ギターの話」
 彼女が今言うのはこのことだった。
「ギターだけれどね」
「あっ!?ああ」
 その話を振られたのでそちらに顔を戻した。
「それかよ」
「お父さんもやってたって言ってたじゃない」
「そうよ」
 お母さんもここでまたそのことの話題に合わせてきた。
「それだけれどね」
「親父ギターなんてやってたのかよ」
「やってたわよ」
 実にあっさりとした返事だった。
「あんたみたいな歳にはね」
「マジかよ」
 軍平はそれを効いても信じていない顔であった。
「あの親父がねえ」
「何か全然信じてない顔ね」
「まあな」
 そしてそれを否定しないのであった。
「だってよ。あんなもう碌に髪の毛もねえ頭でよ」
「だからあんたも同じ頭してるんだけれど」
「うっ・・・・・・」
 同じ頭という今の言葉には詰まってしまったのだった。
「ま、まあそれはいいとしてだよ」
「誰だって若い時はあるわよ」
 お母さんの言葉は続く。
「だから。お父さんだってね」
「ギターやってたってわけか」
「そうよ。ただね」
「ただ?」
「あんたみたいな曲は奏でてなかったわ」
 こう軍平に話したのであった。
「あんたみたいなのはね」
「っていうとどんな曲なんだよ」
「チェッカーズとかね。あとBOOWYとかTUBEとか」
「ああ、ああいうのね」
 美智代はそれを聞いて考える顔になった。
「ああいう感じの曲ね」
「そうよ。てっきりフォークだとでも思った」
「ええ、まあ」
「感じでな」
 美智代も軍平も実はそう思っていたのだった。このことは隠さなかった。

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