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転生者物語・夜天の主とトラック運転手
第一話
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キルは上やと?」

「ああ。高いとは思わないが、少なくとも小学生よりはマシな積もりでいるぞ。そもそも、お前記憶喪失だろうが。」

「確かに、私には昔の記憶が無い。せやけど、私の魂が叫んどるんや!こんな生活をしとるダメな人をほっといたらあかんと!!」

「ダメな人って・・・」

本人の前で包み隠さずそう言う事を言うか普通?
それに俺には大人としてのプライドとか、周囲への説明以外にも不安がある。

「でもなあ、さっきも言ったが記憶の無い奴に家事とか出来んのか?」

記憶が無いのにテキトーにやられて、部屋がめちゃくちゃにされるのは困る。それに、それで大家の怒りを買うのは部屋を借りているこの俺だからな。

「その点については大丈夫だ。」

すると、そこへホークが口を出して来る。

「記憶喪失で失われるのは一般に『思い出』に関する記憶だ。だから知識に関する記憶はちゃんと残っている。そうでなければ、言葉を話す事も、立って歩く事も出来ないからな。」

なるほど。それは納得だ。けどな・・・

「だからって、安心して任せる事はできねえぞ。」

「なら、彼女の家事スキルを試してみればいい。そろそろ夕食には丁度いい時間だ。彼女に作ってもらって、その味を確かめてみればいいだろう。」

「なるほど、採用試験をやるって訳か。いいぜ。けど、台所はホークの家のを借りるぞ。うちにはロクな調理器具が無いからな。」

「ああ。分かっている。」

こうして、はやてが俺の世話役になるための採用試験が行われる事になった。



続く

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