序章
第一話 最後のゲーム
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まだ5月上旬だというのに、初夏のように暑い。私達はこの季節外れな暑さについて愚痴を言いながら帰路についていた。
「今日さー、めっちゃ暑くない? まだ梅雨すら来てないのに」
マイが、レナにそう言った。
「ねー、暑いよね。今日見た朝のニュースでお天気係のお姉さんが『本日は絶好の洗濯物日和でしょう。天気が崩れる心配もなく、一日中干していても大丈夫です。安心して出勤しましょう』と言っていたけど、絶好すぎだわ。これも地球温暖化の影響ってやつ?」
レナは頷きながらそう言って、話を私に振った。
「ミレイもさ、この天気おかしいと思うでしょ?」
私はすぐに返事をしようとしたけど、何しろ周りが暑くて頭がポーッとなってて、なかなか思考がまとまらない。私がレナに返事をしたのは、話を振られてから数十秒後の事だった。
「……うん、ホントだね。暑いね」
「でしょでしょー。 ……ってミレイ顔真っ赤になってるけど大丈夫!?」
若干慌ててレナが私に言った。
「大丈夫だから心配しなくても平気だよ、レナ。あとちょっと歩けばもう家だし」
私を心配してくれているレナに、笑いながらそう言ったけどレナは口を尖らせた。
「返事するのに数十秒かかった人が何言ってんの」
「そうそう。いくら家が近いからって油断すると暑さで倒れるかもしれないからね。嫌だよ私、救急車呼ぶの」
マイが続けて言った。
「ちょっとマイ、それは冗談でもひどいよ」
レナが少し咎めるような口調でマイに言った。
「ごめんごめん」
マイはペロリと(どっかのキャラクターみたく)舌をだして肩をすくめた。
そんなイタいポーズをしているマイはスルーするとして私達は2人で話す事にした。
「話変わるけど今週の土曜日一緒に遊ばない?」
「別にいいけど、どこで遊ぶの?」
「私の家は?」
「でもミレイの家だとやる事といえばゲームしかないよね」
「わかった、私のポーズが寒かったのはわかったから無視しないで!」
私達のスルーに耐えかねて泣きついてきたマイにレナはため息をつきながら言った。
「マイのあのポーズは寒いじゃなくてイタいだからね。そこ勘違いしないで」
「わかったから会話に入れて」
「やっぱり遊ぶんだったら、近くの児童館とかはどうかな?あそこだったら色々やれるじゃん」
会話に加わるなり、マイは私達にそう提案した。
「児童館かぁ……。確かにいいね」
頷きながらレナは言った。
「じゃあ、何時に集まる?」
「10時でいいんじゃない?」
「えー、10時ー?」
私は基本的にゲーム好きな人間だから、休日の時は夜更かししてまでゲーム(特
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