リア充観察記録 後編
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ましてや、あの野郎はその幼馴染と同じくらいに他の奴らも大事にする。同じように命を懸けそうな勢いで…
その義理堅さというべきか、馬鹿さ加減というべきか…とにかくお前のその人間性に関しては世界最強の弟では無く、世界唯一の男性操縦者としてでも無く、一人の男として素直に尊敬するよ『織斑一夏』。
こんなことを思ってるなんて、恥ずかしすぎて誰にも言えないけどな…。でも、本音だ。でなけりゃ俺は任務ほっぽり出して奴をボコリに行っとる…。まぁ、どっちみち日頃の生活を見ててイライラするのも本当の事だし…
「セイス…?」
「気にするなっての。ほら、事態は常に進行してんぞ?」
「おっ、本当だ」
モニターに目を戻すと、相変わらず箒はそっぽを向いたままだが一夏の方は困ったように頬をポリポリと書きながら口を開いた…。
『箒も一緒に行くか、昼食…?』
『…え?』
『いや、昼休みに昼食をセシリアに誘われてさ。鈴も誘っといたから、箒も一緒に来ないか?』
『……つまり、セシリア個人との約束というわけでは無いのだな…?』
『まぁ、一応はな…』
鈴の時より一言加えただけであ〜ら不思議、たちまち効果と招く結果が早変わり…。箒の顔がパアッ!!と明るくなっていくのが分かる…。
『で、来るか?』
『も、勿論行くに決まっている!!』
『んじゃ、さっさと行こうぜ!!』
『あ…あぁ、そうだな!!』
さっきの剣呑な空気は何処へやら。既に二人の間には、和やかな雰囲気があった…。本当、腹立つくらいにうまくやるねぇ、無自覚女たらしめ…。
「……セイス…」
「今度は何だ…」
「俺、帰っていい…?」
ついに限界が近づいてきたか、オランジュよ…。だが、残念…まだ一日の半分も終わってないんだなこれが。今言ってた昼食なんて、イライチャ度は午前中の非じゃ無いぞ…?
「もう勘弁してくれええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
「諦めな。ほれ、黒珈琲。まだまだ今日は始まったばかりだぜ?」
「リア充嫌いいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
―――俺の部屋に、嫉妬と憎悪と嫉妬と悲壮が篭められたオランジュの断末魔が響き渡った…。
結局、この日は特に大きな出来事は無かった。いつものように一夏が5人をはべらせ、5人が一夏にアプローチを試みる、この学園では御馴染みの日常。
そんな日常は監視生活初心者であるオランジュを半殺しにするには充分だったようだ…。
この初日からグロッキーになった相棒を加え、俺のリア充観察生活がどのよ
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