リア充観察記録 後編
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普通の卵サンドなんだが…やけに甘い匂いがするのは何故だ…?」
「さぁな。いいから食え、オルコッ党の奴らが喜んで悔いそうな物だろう?」
「今“悔いそう”と言ったか…?」
「聞き間違いだから気にすんな」
「……あむっ…」
お、いったか……そして…
「めじゅらっぺらばっ!?」
逝ったか…
仕事や任務のせいである程度不味い食い物には慣れていたが、この『オルコット・フード』は流石の俺もキツかった。何でも『本と見た目を同じにすれば』美味しい料理になると思っているらしい。誰か、この箱入り娘に料理を教えてやってくれ…もしくは、その考えを改めさせてやれ…
『ところで一夏さん、昼休みの予定は空いております?』
『ん?特に予定は無いが…』
『よろしければ昼食をご一緒しませんこと?』
『あぁ、いいぜ』
『良かったですわ♪ 実は今日わたくし、初めて和食を作ってみましたの…!!』
『……え…?』
やっぱ放置でいいや、どうせ被害者はコイツだけだし…。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
場所は移ってISアリーナ。今日の二限は実習のようで、今回も二組と合同でやるようだ。入学してから大分経ったためか、全員入学当初と比べたら随分と上達している。それは非専用機持ちの一般生徒にも言えることだ。
『おりむ〜』
『のほほんさん?』
うぐっ、いつだかの色々なトラウマが一気に甦ってきた…。しかし、本当にクマの着ぐるみはいつ返せばいいのだろうか?いっそ捨てちまおうかな…?
「あ、この子ってお前に『ランニング・ベアの怪』の伝説を築くきっかけを与えたという例の…」
「…言うな、もう忘れたいんだ!!」
組織に帰ったら何と言われることやら…。コードネームが『熊』とか『ベア』になったりしたらマジで泣いちまうぞ、俺…。
『りんりんが呼んでるよ〜』
『鈴が?分かった、ありがとなのほほんさん』
ふむ、今度は『凰鈴音』か。さしずめ、練習相手という名目で一緒に行動したいんだろう…。
「………。」
「……オランジュ…?」
サンドイッチの後遺症か?今度はセカン党な中国代表候補性が現れるというのに、ほぼ無反応である。ここまで来て急に黙られると逆に怖いん……ちょっと待て、この野郎…
「お前、もしやISスーツ着た女子をガン見してるだけ…?」
「………。」
「お〜い…!!」
「………眼福なり…」
―――ゴッ!!
「悪は滅んだ…。」
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