第二章 雨
第1話 ザドギエル
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、だよ……早く、逃げ……ろ」
その瞬間、上条の意識は飛んだ。
だが意識を失う寸前、誰かに支えられた気がした。
そんなことを思いながら、上条は眠りにつく。
佐天「ふう…なんとか間に合いましたね」
上条を支えたのは佐天だ。ミサカと別れて、能力を使って前走力できたのだ。かなり疲れたが、今の上条の前ではそんなこと気にしてられない。
演算補助装置のスイッチを切って、上条を壁にもたれるように座らせる。
佐天は周囲を見渡し、天使やASTがいないのを確認すると、再びスイッチに手をやり上条をおんぶして飛んで行く。
ちなみに上条を普通におんぶしたら自分が潰れる可能性があるので、風を使って上条を少し浮遊させて軽くしている。
佐天「(そういやミサカちゃん、私服で研究所に行くのかなぁ)」
佐天はそんなことを呑気に思っていた。
その頃、琴里は士道と十香が言い争ってるのにため息をしていた。
琴里「やれやれ、大変なイベント発生ね」
一方「なンでこうなるンだ?」
琴里「十香がヤキモチを焼いてるからでしょ?」
一方「……女ってのはよく分かンねェな」
琴里「私だって男のことは良く分からないわよ」
一方通行と琴里は仲がいい?会話をしていた。
一方通行と琴里は案外、相性がいいのかもしれない。
一方「……今日のところは精霊はもうこねェのか?」
琴里「恐らくね。今日はもうここにいても意味ないわよ」
一方「だろォな。俺も帰るつもりだったしな」
と言って一方通行は琴里に背をむけドアの方に行く。
琴里「……明日も来るの?」
一方通行はドアの前で立ち止まり、そして言う。
一方「……精霊が来たらな」
一方通行はまた歩き出す。そしてドアが閉まる。
琴里はしばらく、一方通行が出て行ったドアを眺めていた。
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