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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十九話 合宿終了!
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…!
[……相棒]
「…………」
不意に、愛機の声が耳に染み込んだ。何処かいたわるような響きを含んだその音が、今日はやけに澄んで聞こえる。
[相棒の気持ちを完全に理解する事は、恐らく私にはできません……ですがもし相棒が今のやり方に少しでも疑問を感じてらっしゃると言うのなら……やり方を変えてみる事は……間違った選択では無いのではないでしょうか……?]
「……でも……」
それは、その理屈は、クラナにも分かる。けれどそれではいつの日か、きっと自分はまた自分の中にくすぶる憎しみを彼らへと向けてしまうだろう。
四年前からどうしても消えない。消そうとどれだけ思っても消す事の出来ない……まるで植えつけられたような憎しみが、何時か彼女達に矛先を向けてしまう……。
其れが途方も無く、怖かった。
──強さが欲しい──
自分の中の憎しみを押し込め、怒りを殺し、制御する事の出来る心の強さが……それが自分に有りさえすれば……きっと今とは別の道を模索する事も出来る筈なのだ……
「……アル……」
[はい、相棒……]
「……IMに、出ようと思うんだけど……駄目かな……?」
[……全く、何を仰いますか!]
「え?」
呆れたようなアルの言葉に、クラナは間の抜けた声を出した。其れを無視して、アルは誇らしげに言う。
[私の力は、貴方の望みをかなえ、貴方と、貴方の守りたい物を守る為に有る力です……私に許可を求める等、滑稽ですよ……?いつものように仰ってください。相棒]
「……うん」
腰に釣られていたペンライトを握り、真っ直ぐに見詰めて、クラナは言葉を紡ぐ。
「……俺は、俺の強さを高めたい。……武道は心を鍛える……母さんはそう言ってたんだ……だからきっと、俺の武と一緒に、俺の心は鍛えていける。試して、高めるには……戦わなきゃ行けないんだ。……相手だけじゃ無く……自分と……」
[はい]
そう。自分は高めなければならない。他の誰でも無い、自分自身の心を。心身と言う言葉の通り、健全な身体の持つ強さが心の強さへと繋がって行くと言うのなら……其れが出来る筈だ。自らを鍛え高めた先の、公正な規則の下で競い合う“相手にも自分自身にも勝つ戦い”の中で。
「だから……俺は今年のIMに出たい……付いて来てくれるか?アル」
[勿論です!相棒!]
何時も通りに、威勢良く答えた自らの相棒に、クラナは小さく微笑んだ。
「……ありがとう……!」
────
楽しい時間と言うのは、なんだかんだと言っている内に、すぐ過ぎる物だ。
修学旅行や遠足、某テーマパークに言った時等、普段と違う驚きや刺激、そして何よりも楽しさに満ちた時間と言うのは、その物事に集中しているが為に、時間の経つのを早く判じてしまう物なのである。
掻く言うこの作者も、こう
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