第一章
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勇者達
アルケルクの森にはエルフ達が住んでいる、彼等はこの森の奥に村を作っているのだ。
森には様々な生物達もいる、しかし。
森は今驚異を受けていた、その驚異はというと。
「またか」
「ああ、まただ」
「また来ていた」
こう話されるのだった、そのエルフ達の村の中で。木々が生い茂る中に家々がありそこにエルフ達が住んでいる。
その中でだ、尖った耳に白い肌、そしてすらりとした長身を薄めの緑の上着とズボンとブーツで包んだ彼等が話していた。皆金髪で緑の目だ。その目は切れ長で細面である。
「あの者達がだ」
「森の周辺にだが」
「そうか、ゴブリン達が」
「ゴブリンといっても色々だが」
温厚な部族もいる、しかし今森に寄ってきているゴブリン達はというと。
「あの者達はな」
「かなり凶悪だ」
「あちこちで悪事を繰り返してこちらに来た」
「そうしてきたからな」
「だからだ」
それでだというのだ。
「この森に来ても同じだな」
「そうだな、必ず襲って来る」
「森を牛耳り森の生き物達を虐げるぞ」
「そしてここにも来る」
この村にもだとだ、エルフ達は怪訝な顔で話すのだった。
「そして村を焼くか」
「子供達に襲い掛かって来るだろうな」
「あのゴブリン達は女子供にも容赦がない」
「必ずそうしてくる」
「それではな」
こう話していた、彼等はゴブリン達の襲来に懸念を感じていた。
そしてだ、その中でだった。
エルフの長老、長い白くなった顎鬚を持つ彼は苦い顔でこう言った。
「まだあの者達は何もしておらんが」
「それでもですね」
「あの者達が森に入れば」
「うむ、あの者達は元々凶悪極まりない連中じゃ」
長老はまずこのことを言った。
「しかも山の向こうのオーク達との抗争に敗れここに来ておる」
「そこを追い出され今は住む場所がない」
「流浪の部族ですね」
「今のあの連中は」
「そしてじゃ」
さらにだとだ、長老は言った。
「あの者達には今は食うものがない」
「ゴブリンは何でも食べますが」
「それでもですね」
「それにも限度がある」
例えその辺りの草や骨まで食べられる彼等でもだ、餓えることはあるのだ。
それでだ、彼等にとっても様々な生きもの達がいて木の実や茸も水も豊富なこの森はなのだ。
「ここは奴等にとって絶好の棲家となる」
「では必ずですね」
「ここに攻め入ってですね」
「村を牛耳りにかかる」
「そしてこの村も」
「うむ、我等はこの村のまとめ役じゃ」
彼等は森エルフだ、森エルフは森とそこにいるあらゆる生きもの達と親しむ種族だ、それで彼等もこの森の全ての者達と共に幸せに暮らしているのだ。
しかしだ、その彼等の存在がなのだ。
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