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勇者達
第一章
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「その我等が奴等にとってはな」
「森を牛耳ろうと思えば」
「絶対にですね」
「そうじゃ、目の上のたん瘤じゃ」
 まさにそれだというのだ。
「だからな」
「必ず、ですね」
「我等に害を為してきますね」
「村に向けて襲い掛かってきますね」
「森に入って来れば」
「そうしてくる、だからな」
 それでだというのだ。
「今のうちに考えようぞ」
「ではどうされますか」
「ここは一体」
「ゴブリン達は今も森の周りをうろついていますが」
「それは」
「まずは様子を見るべきじゃ」
 ここでだ、長老は村のエルフ達にこう言った。
「すぐに動くことはな」
「我等のやり方ではありませんね」
「エルフの」
「そうじゃ、エルフは軽挙妄動を慎む」
 そうした種族なのだ、エルフは深謀遠慮を美徳としている。感情的な行動や軽挙妄動は慎んでいるのだ。
 だからだ、今もだというのだ。
「まだな」
「様子を見て、ですか」
「動かないでいくべきですね」
「そうなのですね」
「まだ」
「そうじゃ、だからな」
 それでだというのだ。
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