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魔法をもらって
第七章
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「そうしていても」
「いいよ」
 これが草加の返事だった、穏やかな言葉だった。
「その時はね」
「わかりました、それじゃあ」
「うん、七年後ね」
「私達は」
 遥は違っていた、待つことはせず自分から積極的に乾に言っていた。両目はハートマークになったままである。
「七年待たなくてもいいですよね」
「そうですね、ということは」
「私でよければ」
「あれっ、今さっきお茶って」
「私でよければお茶をお願いします」
 そういうことだった」
「是非」
「そうですか、それじゃあ」
「はい、これからも」
 完全に遥のペースで進める、そしてだった。
 遥は乾と約束をした、そして自分よりも重大な約束を草加とした菫礼と満面の笑顔で警察署を出てからだ、こう言うのだった。話を決めたところで草加達は事件の話が来てすぐにそちらに行かなくてはならなくなったからだ。
 二人は署を出たのだ、その出入り口のところを歩きながら話すのだった。
「どうも魔法をかけられたのは」
「私だけじゃないですね」
「先生もそうなったわね」
 こう菫礼に言うのだった、その顔をにこやかにさせたうえで。
「参ったわ」
「参ったんですか」
「だって刈谷さんに恋をすれば綺麗になるって言ってね」
「先生も恋をしたからですか」
「こういうのってミイラ取りがっていうのかしら」
 このことも自分から言う遥だった。
「そうなるのかしら」
「そうなんですか」
「とにかくね、私もそうなったから」
 好きな相手が出来た、恋の魔法にかけられたというのだ。
「お互いに頑張りましょう」
「わかりました、七年ですか」
 菫礼は上を見上げた、そのうえで空を見ながら言った。
「長いですよね」
「そうよね、十代の七年はね」
「長いんですか」
「人間歳を取れば時間が早く過ぎるのよ」 
 遥はここでこのことも話した。
「あっという間になるのよ」
「そうなんですか」
「けれど刈谷さんの場合はね」
 まだ小学五年生の菫礼はというのだ。
「七年は長いわよ、とてもね」
「とてもですか」
「だからそのとても長い間にね」
 七年、具体的に言えばその間にだというのだ。
「綺麗になってね」
「魔法にかけられてですね」
「七年あればとても綺麗になれるから」
「綺麗になろうとするからですね」
「あの人に相応しい人になるのよ」
 これは草加のことだが遥は乾のことを念頭に置いて言った、この言葉を。
「そうなるのよ、刈谷さんも。それはね」
「先生もですね」
「そう、私もだから」
 その自分を念頭に置いたまま言った言葉だ。
「一緒にね」
「綺麗になるんですね」
「そう、頑張ろうね」
 遥は菫礼ににこにとして話した、そして暫くして遥は乾と結ばれた。菫礼も七年後だ
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