第四章
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菫礼は遥にその人の話をした、遥はその渋い人の話を聞いてこう彼女に話した。
「また随分渋い人ね、それで警察署になのね」
「はい、入って行かれました」
「じゃあ刑事さんかしら」
「刑事さんですか」
「ええ、普通に入って行ってたのよね、その人」
「外見だけじゃなくて歩き方も凄い格好よかったんです」
菫礼は目を輝かせて話す、そこにもう出ていた。
「本当に」
「そうなのね、けれど」
「けれど?」
「菫礼ちゃんのお話を聞く限りだとね」
どうかとだ、ここでこう言った遥だった。
「俳優さんみたいね」
「そんな格好いい人でした」
「それで菫礼ちゃんはなの」
「その人格好いいなって」
「あっ、性格は?」
「それは確かめてからよ」
このことは釘を刺した遥だった、忘れはしなかった。
「いいわね」
「わかりました、それじゃあ」
「ただ、菫礼ちゃんって」
ここでだ、遥は少し微妙な笑顔になって言った。
「年上好みみたいね、しかも渋めが好きなのね」
「そうですね、確かに」
「西部警察みたいな人かしら」
菫礼からその人の話を聞いてだ、こうも考えた。
「古いけれど」
「西部警察?」
「昔あったドラマよ」
刑事ドラマだが捜査よりもアクションのドラマだった。人間模様と俳優陣、特に主演の俳優と刑事部長の俳優の格好よさは絶品だった。爆発もウリだった。
「主演の人が滅茶苦茶格好よくてね、私再放送で見て大ファンになったのよ」
「そうだったんですか」
「御免、その人見たら私も好きになるかも」
遥は苦笑いで菫礼にこうも言った。
「その時は御免ね」
「えっ、まさか先生と私が同じ人を好きになるとか」
「実は私彼氏いないから」
このことも言う遥だった。
「その時はね」
「あの、それって」
「魔法は刈谷さんだけがかかるのじゃなくてね」
「先生にもですか」
「かかるものなのよ」
それでだというのだ。
「誰でもなのよ」
「そうなんですか」
「そこまで格好いい人ならね」
御免というのだった、そしてだった。
二人でそこに行った、警察署に。そしてその入口に丁度その刑事がいた。
やはりサングラスにスーツだ、トレンチコートも似合う。そして口には煙草がありライフルを持ちヘリ
乗れば最高の姿になる。
しかし遥は見た、彼の隣にいる背が高くすらりとしていて気風のよさそうな若い男を。スーツが似合うだけではなく歩く姿だけで最高に絵になる。
その彼を見てだ、遥の目は瞬時にピンクのハートマークになった、それで一緒に物陰から警察署の方を見ている菫礼に言った。
「何、あの人」
「格好いいですよね」
「うわ、映画俳優みたいよ」
「渋いですよね」
「格好いいわ」
こう菫礼に応えて言うのだった。
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