第二章
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「誰がどう見てもじゃない」
「背は低いし」
「一七十五ないでしょ」
連合の平均身長は一九〇だ、それと比べるとだ。
「しかも丸々と太ってて」
「あと髪の毛も薄いし」
「お肌の色も悪いじゃない」
健康だがだ、変に色が黒いのだ。それは黒人の黒さいい意味の黒さではなく不細工な黒さなのだ。
「どの服も似合わないし」
「尚且つファッションセンスも悪いしね」
「そうそう、連合の王様でもダントツよね」
「物凄く悪いわよね」
「そうよね」
こう話されるのだった。
「どうにもね」
「どう見ても綺麗じゃないでしょ」
「それで何で王妃様はああ仰るのかしら」
「王様が綺麗?」
「どう見たって違うでしょ」
「そうよね、やっぱり」
アズチェンナも難しい顔で答える。
「誰がどう見てもね」
「うちの王様は不細工よ」
「多分連合の王様の中で一番よ」
「ケベック一の不細工って評判もあるし」
「ちょっとね」
同僚の女官達も次々に言う、しかし語るその顔は彼女達は気付いていないが嫌悪や軽蔑といった負の感情はない。
勿論アズチェンナもだ、アズチェンナは自分ではそのことに気付かないまま同僚達にこう言ったのであった。
「じゃあ少しね」
「少し?」
「少しって?」
「ええ、どうして王妃様がそう仰るかね」
王妃が王を綺麗ということをだというのだ。
「見極めようと思うけれど」
「それわからないわよね」
「それじゃあよね」
「そのお言葉が本当かどうかね」
「そのことを確かめるっていうのね」
「そう、王様を見てね」
そうしてだというのだ。
「王妃様は嘘を仰る方でないし」
「本当に素晴らしい方よね」
「私達を気遣ってくれて」
「お顔やスタイルだけでなくね」
「お心もよね」
「とても綺麗な方よね」
「その王妃様がよ」
王を綺麗という理由をだ、確かめたいというのだ。
「是非ね」
「じゃあ見極めてね」
「私達もそこが気になるし」
「それじゃあね」
「見てね」
「そうするわね」
こう同僚達に言ってだった、アズチェンナは宮廷の中においてそこにいる王を見るのだった。それはすぐにはじめられた。
するとだ、王はというと。
朝は自分で起きる、誰に起こされることもなく。
侍従がだ、朝早く起きて仕事をはじめる王に言っていた。
「あの、朝は」
「自分から起きることがだね」
「はい、我々が起こしにいきますのに」
「それじゃあ君達の手間がかかるから」
起こしに行く手間がだというのだ。
「だからね」
「目覚まし時計を使われますか」
「そうだよ」
いつもそうしているというのだ。
「目覚まし時計があるのなら使わないとね」
「しかしそれが」
「いやいや、いいよ」
目覚まし時計を使うとい
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