暁 〜小説投稿サイト〜
百合を妻と
第五章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
、今からな」
「行って来ます」
「そうですか、今もですね」
 実は今日は既に二度庭に出ている、それで今もだと聞いて頷いて応えたのである。
「行かれますね、ただ天気が怪しいので」
「傘か」
「傘ならこちらにあります」
 その傘をだ、すぐに出しての言葉だった。
「ここに」
「それを持ってか」
「行かれてはどうでしょうか」
「そうだな、天気が怪しいからな」
「大丈夫だと思いますが」
 雲の様子を見るとまだ降らないだろうというのだ、だがそれでもだった。
「用心で」
「そうか、ではな」
「行ってらっしゃいませ」
 満面の笑顔での言葉だった。
「お二人で」
「ではな」
「行ってきます」
 こう応えてだ、そしてだった。
 この日も二人で花達を植える、今侯爵は退屈を感じなかった。その代わりに楽しみと美しさを妻と共に感じていた。新たな充実がそこにあった。


百合を妻と   完


                         2013・11・30
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ