第五章
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、今からな」
「行って来ます」
「そうですか、今もですね」
実は今日は既に二度庭に出ている、それで今もだと聞いて頷いて応えたのである。
「行かれますね、ただ天気が怪しいので」
「傘か」
「傘ならこちらにあります」
その傘をだ、すぐに出しての言葉だった。
「ここに」
「それを持ってか」
「行かれてはどうでしょうか」
「そうだな、天気が怪しいからな」
「大丈夫だと思いますが」
雲の様子を見るとまだ降らないだろうというのだ、だがそれでもだった。
「用心で」
「そうか、ではな」
「行ってらっしゃいませ」
満面の笑顔での言葉だった。
「お二人で」
「ではな」
「行ってきます」
こう応えてだ、そしてだった。
この日も二人で花達を植える、今侯爵は退屈を感じなかった。その代わりに楽しみと美しさを妻と共に感じていた。新たな充実がそこにあった。
百合を妻と 完
2013・11・30
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