第二章
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「もっと真面目に、決まりを守っていかないと」
「神様の?」
「そうだよ、全部守らないと」
「じゃあ聖書に書かれていることも法律も校則もなのね」
「そう、全部ね」
そうしたことを何もかもをだとだ、彼は言い切った。
「守ることが世の中だよ」
「息苦しいのね、世の中って」
「君がいい加減なんだよ」
「これでも人の道は踏み外していないつもりよ」
「キスをするなんてことを言うこと時代が駄目だよ」
それがもう人の道を踏み外しているというのだ。
「もうね」
「そうかしら」
「そうだよ、だから本当に」88
「何でもかんでも守って」
「生きないと」
「だから明日もなのね」
「駄目だよ」
絶対にだ、デートに行けないというのだ。
「日曜はね」
「じゃあ明日私はどうすればいいのかしら」
「教会に行くべきだよ」
彼自身の様にだというのだ。
「そうしないと」
「そう言うと思ったわ」
「じゃあいいよね」
「あまり、そうは思わないわ」
「じゃあ明日君はどうするんだい?」
「浮気しようかしら」
思わせな笑みでだ、私は彼に心にもないことを言った。
「こうなったら」
「本気かい?」
「どうかしら」
あえてぼかす、心にはなくても。
「明日一緒に来てくれないのなら」
「そんなこと、僕は」
「許さないわよね」
「当たり前じゃないか、浮気なんて」
絶対にという口調での言葉だった。
「しないよ」
「そうね、あんたはね」
「そのことは知ってると思うけれど」
「ええ、知ってるわ」
その通りだとだ、私も彼に答えた。
「よくね」
「それじゃあ」
「それでもよ」
私は不満を露わにさせて彼に言葉を返す。
「私としてはね」
「杓子定規じゃ駄目っていうのかな」
「日曜もよ」
その日もだというのだ。
「何もしないってどうなのかしらね」
「教会に行かずにっていうんだ」
「そうよ、どうしてもっていうのね」
「神様を忘れたらいけないよ」
相変わらず牧師さんそのものの言葉だ、本当にハイスクールの制服じゃなくて牧師さんの服を着て聖書を持ったらそのままいけそうだ。
その彼がだ、今も咎める顔で私に言うのだ。
「君だってね」
「言うわ、それでもね」
私はこのままでは埓が明かないと思った、それで彼にこう切り出した。
「日曜よ、今度のデートは」
「その時にって」
「日曜、映画館に行きましょう」
「駅前のだね」
「待ち合わせ場所は駅前よ」
私は彼に有無を言わせない口調で告げた。
「わかったわね」
「だから教会が」
「若し来ないとね」
その時はとだ、私はさらに言った。
「怒るわよ」
「別れるとか?」
「かもね」
そんなつもりはない、毛頭。けれど私は駆け引きで思わせぶり
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