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ボロボロの使い魔
『孔雀』と『雪風』
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しい、見られると面倒」

「わかっている…!」

苛立ちがあった。

何故に自分が
橘…人間如きに協力を求めなければならないのか。

もしも、自分に本来の力があれば。
力不足を理由に橘の協力を求める必要も無かった。
わざわざ、橘が少なからず疲弊しているであろう時期を狙い話し合う必要も無かった。

確かに自分は策を練り策謀を巡らす事を好んではいる。
だがけして、下等な存在の顔色を窺うような真似は好んでいない。

今回の会話により、少なからず、いきなり封印すると出会い頭に戦闘になる事は無いだろう。
その事に安堵した自分を自覚した瞬間、猛烈な憤りが沸き上がり、彼にとっては珍しい『八つ当たり』という行為に走らせた。

だが、耐えなくてはならない。
人間如きを自身と対等として協力関係を結んでやる屈辱も、全て伊坂は飲み下す。
還らなくてはならないのだ、自身の種族の為に。

それが、アンデッドとしての義務であり使命。
そして、それ以上に。

どのような種族であれ、存在であれ。
自分に連なる存在を、子を愛さない親などいるはずが無いのだから。

「ふん…笑いたければ笑え…!」

自身を嘲るかの如く自嘲気味に笑い再び歩きだす伊坂

「別に…笑ったりなんか…しない」

その背に届けるつもりなど無いだろう小さな声で彼女は呟き首を振った。

その手には懐から取り出した一枚のカード。
伊坂の召喚と共に現れた『プロバーブランク』
ルーンに変わる契約の証にと預かったカードを胸元に押さえつけるようにしながら。






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