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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百二十三話 要塞建設
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大変ですよ」
「護衛に三個艦隊を動員するそうです。ウランフ元帥、ヤン大将、ワイドボーン大将です」
私が答えるとディーレン委員が口笛を吹きました。“勇将ウランフ元帥と知将ヤン大将か”と言ったのはクライ委員です。ワイドボーン大将だって凄いんですよ、ヴァレンシュタイン大将は“攻守のバランスが良い、良将だね”と評価していました。士官学校首席は伊達じゃありません。
「まあ当然よね、軍にとっては恩人だし国防委員会だって頭が上がらないんでしょう?」
アブローズ委員の問い掛けに皆の視線が私とデロリアン委員に集中しました。デロリアン委員が“否定はしません”と答えました。
「捕虜交換の予算を取ってくれましたしフェザーン回廊の入り口に要塞建設も決めてくれた。軍も国防委員会も感謝してます。頼りになりますよ」
「あーあ、国防費の削減は無しか……」
ノエルベーカー委員が嘆息すると皆が遣る瀬無さそうな表情をしました。困ったな、また軍が予算を取ってると思われてる。
「そんな事は有りません。予算は減りますよ」
デロリアン委員も困ったような表情をしています。
「国防委員会の友人に聞いたのですがね、補給基地の統廃合、人員の整理、それに戦争が無くなれば人件費、武器弾薬の補充も減少します。新たな軍艦の建造も当分は老朽艦の代替えだけになる。今年度は捕虜交換で予想外の出費が有った所為でほぼ去年並みですが来年度以降は人員の整理と補給基地の統廃合が進めば最低でも一千億ディナールは減るそうです」
皆がちょっと驚いています。“本当?”という声も上がりました。
「でもフェザーン回廊の入り口に要塞を造るんだろう?」
「造ると言っても七年がかりですよ。確かに巨額の予算ですが単年で計算すればちょっと多いな、と思うレベルです」
デロリアン委員がリード委員に応えると“ふーん”という感じになりました。
「まあ国防費の削減が出来なくても各委員会の予算は増える筈ですよ」
幾分笑いながら皆に言ったのはモンテイユ委員です。
「どういう事です、それは?」
「簡単ですよ、クライ委員。国債の償還が無くなったんです。その分余裕が出た。個人に例えればローンの返済が終わって可処分所得が増えた、そんなところです」
なるほどと思いました。私だけじゃありません、皆も納得顔です。
「財政委員会では来年度からは減税も考えています。まだ検討段階ですけどね」
“へぇー”という声が上がりました。私も声を上げたい、税金なんて上がる事は有っても下がる事なんて無かったんですから。本当にそんな事になるのかしら。
「しかし、軍は満足しているのかな。もっと軍艦を造れとか言いそうなものだけど」
ディーレン委員がちょっと心配そうに言うとデロリアン委員が苦笑しました。
「今造っても使い道が無いですよ
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