第十一章 追憶の二重奏
第九話 新たな光
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たしを見られても……。
ただ……気付いていないだけとあなたは言ったけど……わたしは気付けるのかな?
でも、気付いたとしても、それで自分を信じられるようになれるとは思えない。
だって、何時もそうだから……。
これだと決めても、時間が経てば、壁が現れたら、蹴躓いたら……結局は何時も諦めてしまう。
小さな頃からずっとそうだった……。
『虚無の使い手』と分かった今でも……わたしはやっぱり『ゼロのルイズ』のまま……。
ずっと一人蹲って泣いてるだけ……。
何も出来ない『ゼロのルイズ』。
一つも確かなものがない……何も持っていない。
何も………………ない………………――――――
『―――ルイズ。一つだけ聞いていいですか?』
“ぇ、ぁ……なに?”
『―――あなたはシロウが好きですか?』
――――――――――――――――――なにも?
“―――っ、す、好きよ。うん……すき……っ、ううん、わたしは……わたしは、シロウを―――”
―――――――――ある。
“―――愛しているわ”
―――――――――確かなものが一つだけ―――ある。
「ッ、く―――。やはり片手で相手にするのは厳しいですね」
右手で構えた絶世の名剣の剣先が微かに震えていた。常時であれば、剣先に乗せたカップの水面が揺れることもないセイバーが持つ剣が、遠目で見てもハッキリと分かるほど震えている。
原因は一目見れば明らかであった。
体力切れである。
セイバーに対するは四体の超ド級の巨大な化物。しかも規格外の巨体から考えれば信じられないほどの素早さで動き、その巨躯から繰り出される拳や足は、常人、否、速さに定評のある風使いのメイジでさえ、容易には避けられないものであった。
そんな怪物を四体同時に相手にし、流石のセイバーも苦戦していた。
手に持つのがいかに絶世の名剣であったとしても、系統魔法の固定と先住魔法である反射が重ねられたヨルムンガンドの装甲は、右手だけでそう易々と切る代物ではない。勢いと速度を得なければ、右手だけで振るう剣では精々傷を付ける程度が関の山である。
反対に敵の攻撃は当たれば一発で終了。それだけでなく、擦りでもするだけで、セイバーは行動不能に陥ることはほぼ確定的である。
結果、短時間でヨルムンガンドたちはセイバ
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