暁 〜小説投稿サイト〜
アーチャー”が”憑依
七話
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敵に回したくない人物堂々の一位だからな」

麻帆良にて定期的に行われている無差別アンケートによって張り出される様々なランキング。その中の一つに新田先生は頂点として君臨しているらしい。エヴァ曰く初めて選ばれた時からその順位は不動のものであるらしい。色々とはっちゃけている麻帆良の人間達も、新田先生だけは敵に回したくないとのこと。本当に、凄い人だ。

「正直、あの人ほど生徒達のことを思っている人を私は他に知らないよ」

「ほぅ、貴様の記憶には一人教師の知り合いがいたはずだが?」

思い浮かべるのはブレてはっきりと定まらないとある人物の顔。覚えているのは教師だったことと、とても自分と親しく恩人と言える存在だったことだけだ。自分が恩義を感じていたとはいえ、それだけで優れた人格者だったなどと断定することはできない。

「さぁ、な」

その返答に何を思ったのか、エヴァはそれ以上何も言ってはこなかった。自分がとある目的を抱いてからは、あるのはただ憎悪のみだった。ただ恨み、目的の成就だけを願っていた。だと言うのに、憎悪に染まってから初めて、”エミヤ”は衛宮士郎だったころの事を思い出してみたいと、そう思った。かつての自分を見れば、己の憎悪は激しさを増すだろう。だが、何か救われるものもあるのかもしれない。それは人の一生分とはいえ、守護者の任から完全に解き放たれたからこそ、芽生えた思いだったのかもしれない。静かに、夜は更けていく。
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