暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
こうして、比企谷八幡の最後の日常は幕を閉じる。
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ては。
由比ヶ浜のいないこの部室では、特にそれが顕著に表れる。
無理に話をする必要もない。相手の顔色を伺う必要もない。そんな一人と一人の空間の共有。二人でいる必要は無いけれど、それでも一人でいるのとはまた違う。
始めは偶然手に入れて、一度は失った、そんないつも通りの心地の良い空間。

何度ページをめくる音がした頃だろうか。突然そんな静寂が破られた。

「やっはろー!ゆきのん、ヒッキー!」

「……おう」

「こんにちは、由比ヶ浜さん」

アホっぽい挨拶とともにやって来たお団子頭こと由比ヶ浜は、雪ノ下の隣に位置する席に座ると前置きもなしにこんな事を提案した。

「カラオケに行こう!いぇーい!」

…………えっと、いきなり大声を出さないでください。ぼっちは大きな音に慣れていないのです。

「…………いきなりどうしたのかしら、由比ヶ浜さん」

多分俺と似たような心境なのだろう雪ノ下が、呆れたような調子で聞いた。

「んー? 今日ね、優美子達と文化祭の時のこと話してさ。それで行きたいなーって」

何だそのいろいろすっ飛ばした理由は。言っておくが、俺達にその手のノリは通用しない。

その辺は流石に由比ヶ浜も分かっているようで、補足説明をする。

「ほら、文化祭でライブやって楽しかったじゃん、だからまたゆきのんと歌いたいなって」

「一体いつの話を蒸し返しているのかしら・・・文化祭があったあのは半年くらい前なのだけれど」

「ええっ、いいじゃん、行こうよー」

「嫌よ、疲れるもの」

すげない雪ノ下の返しに、由比ヶ浜の目がうるうるしてくる。

「………ゆきのん、あたしといくの、イヤ?」

「いっ、いえ、そんなことはないのだけど…」

「ううん、ゴメン。無理矢理誘っちゃって」

「えっ、あの、その………」

雪ノ下、マジでこういうのに弱いな。一体いつからこの流れで押し負けてるんだよ。そろそろ対処法をみつけようぜ。
ああでも、中学の頃の女子に話し掛けられたときの俺もあんな感じだったな。大体きょどって、いつも掃除を押し付けられるの。

そんな悲しい俺の過去とは似つかないが、この部室におけるこの会話の終着点も決まっている。

「………はあ、分かったわ。ただし、週末でいいかしら」

「ゆっきのーん!」

あくまで仕方ないといった調子で肩をすくめた雪ノ下に、由比ヶ浜が飛びつく。

「由比ヶ浜さん、暑いのだけれど……」

「大丈夫だよー、まだ寒いし」

「………理屈がわからないわ」

そんな風にいいつつも、満更でもなさそうなのはいつものことである。君たちホントに仲良いですね。

二人がイチャイチャしだし、部室で
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