第五十五話 思春期H
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ているんだから。だから、大丈夫よ」
「にっこりと怖いことを言わないでェーー!!」
『ますたー、諦めて頑張りましょう。マイスター、いつも以上にノリノリですから』
休日の魔法練習場にて行われる、黒髪の親子による修行風景。レティ先輩の相談に載ってから2日後。運動会まで残り1ヶ月ということで、母さんにそのための練習をしたいと俺は申し出た。普段の訓練でも泣きそうだったが、背に腹はかえられない。そう覚悟を決めたのだが、初っ端から挫けそうです。
「ごほっ……ッ、……げほっ、ッはぁ……」
「撃ち落とした数45、守った数73、避けた数47、被弾数25。相変わらずの防御と回避ね。私としては、射撃スキルを磨いてほしいけど…」
『マイスター、さすがにこれ以上注文を増やしたら可哀想ですよ。それ用のメニューは、次の週ぐらいに回してあげて下さい』
「そうね、じゃあこれは来週にしましょうか」
来週の訓練が、今日よりも地獄になりそうなことが決定した。
「それじゃあ、今日はもう1回だけ同じことをしましょうか。次は被弾数を減らすことを目標に、頑張るのよ」
「…………えっ」
今日も地獄だった。
「身体、マジで重い…」
『今日は魔力の負荷度を、いつもの3倍にしましたからねー。当然ですよ』
「普通いきなり3倍にするか? せめて、2倍じゃね?」
「あなたがいつもつけていたのは、だいぶ軽くなっていたでしょう? 2倍も考えたけど、3倍でも問題ないわ。あなたの武器の1つは、その魔力量なんだから。増やせるものは増やしておくべきよ」
俺以上に俺の魔力や限界を知っている母さんの言葉なので、文句を言うつもりはないけどさ。もうちょっと個人的には、容赦してほしい。チキンレースが如く、ギリギリの修行の連続って。さすがは、ラスボスである。
ちなみに魔力負荷というのは、魔力を使ったギブスのようなものだ。母さんがコーラルに組み込んだものらしい。腕を上げたり、歩くといった行動全てに、魔力を使わなければならない。はっきり言って、かなり辛い。魔力がどんどん抜けていく感覚には慣れたつもりだったけど、今日は久々に脂汗が出た。
子どもの頃にきつい修行ばかりしたら、身体に負担がかかるものだろう。筋力負荷とかは有名だな。幼い頃から鍛えすぎると、成長や健康的にあまりよくないのだ。だが、魔力負荷はこの定義には入らないらしい。むしろ推奨されているというのだから、本当に不思議な力である。
「基礎固めには、有名な方法よ。お母さんの子どもの頃も日常生活ではいつも負荷をかけて、過ごしていたわねー」
「あぁ、つまりやりすぎが基準の人に教えを乞うと、こうなるのか」
『Sランク魔導師が、一般的な基準で修行しているわけがないでしょう』
つまり、なのはさんあた
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