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少女1人>リリカルマジカル
第五十五話 思春期H
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彼女は顔を俯かせながら、小さく感謝を口にする。それに、騎士の少年は肩を竦めてみせた。

 4年間、共に過ごしてきた友人。今まで見てきた彼が、より大きく彼女には見えた。



******



「もう、もう……なんていうのっ! まさに雷が走っちゃったっていうか、痺れちゃったじゃない! かっこよすぎよォーー!!」
「ちょっ、レティ先輩! 肩をバシバシ叩かないでください、本当に痛いからッ!」

 なかなかのシリアス系な話だったのに、ベルカの学校の先輩さんが登場した途端、テンションが上がりまくったレティ先輩。照れ隠しなのはわかるけど、被害が俺に集中している。無意識に魔力を込めてくるからか、最初に受けた時は吹っ飛ばされかけた。防御魔法を展開しながらの相談、ってどんなんだよ!

 あれから、ちきゅうやでエイカの手伝いが終わった後。仕事帰りのレティ先輩と合流し、近くの喫茶店に入店した。あの時は遠慮がちというか、後輩の俺に気を使っていたのだが、いざ話し始めると止まらなくなった。文字通り、ものすごい勢いで恋バナを語りだした。肩もバシバシ叩き出した。俺は今日、肩が外れるかもしれません。

 メリニスから図書室の先輩さんに話を伺っていたが、確かにこれは涙ながら言ってくるよ。出会いから何やらまで、ずっとループしています。うん、これ完全に生贄にされた。ただ単に友人の恋バナを聞くのに疲れただけだろ。図書室の先輩さん、自分じゃ手に余るからって絶対に俺に押し付けてきやがった……!

「あと、それからだな…」
「レ、レティ先輩。お話はよーく、よぉーくわかりましたから。本当にマジで真剣に大丈夫ですから」
「何? だが、友人に話した分の5分の1ぐらいしか、まだ話していないぞ」

 図書室の先輩さん、お疲れ様です。仕返ししてやろうかと思ったけど、同情の方が勝ったよ。今ので5分の1とか、あなたはよく頑張った。だけど、出来たら俺を巻き込まないでほしかったよ……!


「えっと、ロウランさんでしたっけ。先輩が惚れちゃったっていう、あの『ベルカの学校の英雄さん』」
「あ、あぁ。……あと、その二つ名は有名なのか?」
「有名です。もはや代名詞の1つですね」

 あの運動会の魔法合戦を見た人なら、きっと誰もが認知しているよ。『廃スペックトリオ』の脅威と混沌さを鎮静させた英雄。レティ先輩たちがクラ校の伝説なら、ベルカの学校では彼が伝説扱いである。あのバインド王子に獅子奮迅のごとく戦ってみせた彼は、クラ校の一部(教員含む)でも支持されていた。

 完全に3人組に振り回されていた被害者(仮)さんだよな。ツッコミのキレが、半端なかった記憶がある。あと、普通にいい人だった。もともと優秀な児童だったらしいが、そこまで有名になるほどの実力は、最初のころはなか
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