第五十五話 思春期H
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け止めてしまった。
「お母さんが、あなたが無茶をしないと思うのは、そういうところがあるからなのよね。母親としては、心配が減って嬉しいことだけど……あなたは、男の子なんだから。もうちょっとやんちゃになってもいいのよ? 自分が勝手に作った壁に、負けちゃ駄目」
「自分が、勝手に作った壁…」
「あなたに必要なのは、自信よ。忍耐力はリニスと6年間も戦い続けられるんだから、あとは自分を信じてあげること。シスコンだー、っていつも胸を張って言っているぐらいの、自信満々な態度をみせてみなさい」
シスコンと戦闘力は違うんじゃ、……いや、同じ括りでいい、のか? 俺は確かに自信を持ってシスコンだと言えるが……えっ、戦闘もそんな認識で本当にいいの?
「この3年間、あなたに魔法を教えてきたのは誰だと思っているの? ちょっとぐらい自信を持ってくれないと、お母さんは泣いちゃうかもしれないわ」
「……母さん、それ軽く脅しています」
「ふふっ、でもそうね…。それじゃあ、あなたに自信がつくような、お母さん直伝のとっておきの魔法を、1つ教えてあげるわ」
「えっ、とっておき?」
『素直に食いついた』
そこ、うっさい。
「昔あなたがレアスキルで実験をしていた時に、使ってみたいって言っていたものの魔法バージョンかしら。私やアルヴィンのような魔導師には、うってつけの魔法よ?」
『ますたーと相性が良くて、昔の実験で、……あぁ。アレですかー』
母さんが話す内容にわくわくが止まらなくなったのは事実なのだが、同時に背中に流れる冷や汗の量が半端ない。楽しそうに微笑む母さんの顔が、さっきのノリノリで修行をしていたときの顔と被るのだ。ふふふふっ、と優しそうな笑い声と一緒に、何か別の威圧感を感じます。アリシア助けて。
あっ、これ俺にとっての地雷を踏んだ。地獄への片道切符を確実に手に入れた。自分のデバイスからものすっごい哀れみオーラが漂ってきました。何されるの、というか何が始まるんですか。できたら優しくっていうか、飴はちゃんと欲しいです。鞭は絶対に上手いだろうからな!
結論から言えば、母さんは飴と鞭がめちゃくちゃ上手かったです。
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