第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十二話 破壊人形
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に追撃を掛けるように両手を突き出し赤い光を放とうとするが、
「図に乗るなよ人形風情が!!」
鎧の後ろを取っていた私は鎧の背後から蹴りを放ち地上へと叩き落す。地上に落ちた鎧は身体を揺らしながら上体を起こし再び私に襲い掛かってきた。
「ほぅ破壊するつもりで強めに蹴ったんだがな、中々頑丈だな」
迫る鎧は右手を鋭い刃物に変形させると私に向かって突きを放つ。その突きは的確に私の胸を刺し貫き、鎧は更に左手も刃物に変形させ私の首に刃を一閃すると私の首は胴体から離れ地上へ向け落ちていく。
「おいおい随分と酷い事をするじゃないか、人形の分際で身の程を知れ!!」
鎧の背後から私はそう叫び再び鎧を地上へと叩き落す。その衝撃で鎧の右手で貫かれていた“私の首無しの体”は粒子の様になって消えていった。
さてあの鎧の戦闘能力も大体把握したからとっとと破壊するか。
私は地上に降り立ち倒れている鎧へと近づくと鎧は突然起き上がり三度私へと襲い掛かってくるが横合いから“私の蹴り”を受け地面を跳ねながら吹き飛んでいく。
吹飛ばされた先で倒れたままの鎧に直上から淡い光を放つ直系十m程の球状の岩石が落ち叩き潰した。
「やれやれ思ったよりも厄介な人形だな……いい加減出て来い七枷!」
私は橙色をした拳大の光弾を作り出すと崩れた屋敷の一角に向け放つ。光弾が着弾した瞬間爆煙の中から七枷が転がり出てくる。
「危ないなー、何するんだよ」
「お前わざと手を出さずに死んだフリをしていたな!それと洩矢は何処に行った!」
私が睨みながら怒声を浴びせると七枷はヘラヘラしながら答える。
「百聞は一見にしかず、でしょ。あと諏訪子にはあの黒い子を追ってもらったよ」
「何時の間にそんなやり取りを。まぁいい確かに実際やり合ってあれが面倒な代物なのが理解できたしな」
確かにあんな物を戦に投入されれば相当に厄介だろう。
「しかし情報源である殿朗が死んだのは痛いな」
「まぁ確証は得られなくなったけど月詠も何となく相手の予想出来てるんじゃないの?」
七枷は若干試すような視線で私を射抜く。
「……あんな物を使おうとし、尚且つ妖怪と手を組みそうな組織など熊襲しか有り得んな」
今現在大和と戦をする様な所などあそこしか有り得ない。
「まぁあくまでも僕達の憶測でしかないけどね、それよりさっきのアレは何だったのさ?月詠が二人になったり行き成り球状の岩が現れたり」
「ん?あれは私の『月を表す程度の能力』だ、多種多様な現象を起こす事が出来てな。さっきのアレは実体を伴った幻術で最後に使ったのは極小の月を造り出しただけだ」
私の説明に七枷は感心した様な表情で首を上下に振っている。
「な
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