第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十二話 破壊人形
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当は取引相手じゃなくて協力関係だっただけなんじゃないかな。利害の一致かもしくは本命の取引相手が一緒だったか」
僕の発言を聞いて月詠が補足する様に自分の考えを口にする。
「つまりこやつ等を引き合わせた第三者が居る、と言う事か」
「多分ね、まぁ彼が喋ってくれればいいだけなんだけどね」
顔を青くし口を噤む殿朗に僕達の視線が集まった時突然天井の方に嫌な気配が生じた。諏訪子も月詠も感じたようで立っていた場所から後ろの方に同時に飛びのいた。
すると天井を破壊し黒い何かが殿朗へと覆いかぶさる。その黒い何かは揺ら揺らと揺らぎながらゆっくりと少女の様な形を取ると殿朗に纏わり付きながら喋りだした。
「ケヒ、ケヒヒヒヒヒヒ!絶体絶命ダネ!ケヒヒヒ!」
「む、無有か!儂を助けに来てくれたのか!よしよくやった!」
黒い少女の登場に殿朗はそう言って喜ぶが少女の口から出たのは、
「助ケル?助ケル?ケヒ、ケヒヒヒヒヒ!マヌケ!マヌケ!マヌケ!オ前ヲ助ケロナンテ言ワレテナイ!始末シテ来イッテサ!ケヒヒヒ!ソウダツイデダカラアノ玩具ヲ使オウ!ケヒヒヒ!」
そう言うと黒い少女は粘液の様に殿朗を絡め取ると部屋の壁を破壊して外へと逃走を始めた。僕達はすぐさまその後を追いかけると黒い少女はデュラハンへと一気に近づき鎧の頭部に手を翳すと鎧の胸元の宝玉が発光を始める。
「嫌だ!止めてくれ!お願いだ!」
そう叫びながらもがく殿朗を少女は鎧の胸元の宝玉に押し付けるとその宝玉から伸びた触手の様なものに殿朗は一瞬で絡め取られ吸い込まれていく。
「なるほどあぁなる訳か」
その光景を見た月詠がそんな呟きを漏らす。
「ケヒ、ケヒヒヒ!ジャァ命令スルヨ!アイツ等ヲブッ殺セ!ケヒヒヒ!」
少女がそう命令すると鎧は確りと二本の足で大地を踏みしめ一瞬で僕との間合いを詰めると赤い光を纏った右拳を僕へと放ち、それを受けた僕は屋敷の方へと吹飛ばされて行った。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「七枷!」
鎧の拳を受け吹飛ばされた七枷に声をかけるが返事は無い。鎧は次の目標を私に切り替えた様子で右足で蹴りを放ってきた。鋭くまるで刃の様な蹴りを後方に下がる事で躱すと鎧は右手を突き出しその手から赤い閃光を放ってくる。
三条の紅閃を左に飛びのく事で躱すが攻撃対象を失った紅閃は屋敷の壁を切り裂きその先にある街に着弾し爆炎を上げた。
しまった!私とした事がとんだ失態だ!そんな自己嫌悪に陥りかけた私の視界の端で鎧は上空へ飛び上がると胸元の宝玉から赤い光を放ち、その光は幾条もの破壊の槍と成り屋敷中に降り注ぎ破壊の嵐となって吹飛ばしていった。
鎧は更
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