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ロウきゅーぶ 〜Shiny−Frappe・真夏に咲く大輪の花〜
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ていた。公園にある廃材、たとえばロープやベニヤ板、鉄パイプなどを組み合わせて修理していく。
「ほら、こっち引っ張ってくれ」
「あ、ああ……っ、しょっ!!!」
「っ、なかなか力あるじゃねぇか」
「当たり前だっ、鍛え方が違うんだよっ!」
板にネットを固定し、とりあえずゴールは出来上がった。さて、これをどうやって取り付け……
「ん、どうしたんだ真帆」
「おおっナツヒっ!!!! こんな時にしか役にたたないっ!!」
「何てひどいこという人だ……」
全身をジャージに身を包みロードワーク中だった竹中夏陽が通りがかる。渡りに船とはまさにこのこと。
結奈は若干引き気味だったが、この男は恐らく人間が出来てきているのでまあ大丈夫だろうと希望的観測で何とかやりきってみた。
「竹中先輩、ありがとうございましたっ!! それから……三沢先輩も」
「……ん」
「この前はすみませんでした……私、あれからずっと走り込んで、飛んで、ボールを突き続けて、少しだけどわかった気がして……」
「はいはい分かった分かった。やっと私の偉大さが分かったってんだな。まあ今日は帰れ、もう夜も遅いだろ?」
彼女はぺこりとお辞儀をすると、夜の闇に消えていった。
「なあナツヒ……」
「……どうした?」
「どうやってヒナをモノにしたんだ? そんなCV杉田みたいなダンディーな声して」
「それ関係ないだろ……高2の時あいつの高校の文化祭に行ったとき、呼び出して単純に正面から告白した。そしたらあいつ、何て言ったと思う?」
『たけなかがずっと幸せにしてくれるって言うなら、良いよ』だとさ、彼は笑いながらも頬を赤らめていた。少し羨ましい話だ。
別に周りにいい男なんていないから彼氏なんて欲しいとは思ったことなど最近ないのだが、そう言う話を聞くと羨ましく思ってしまう。
「それじゃ、俺は行くよ……なあ、バスケの件、まだ何も言ってないんだろ?」
「当たり前だろ……私みたいな半端者はいらないんだ。半端に続けるなら、いっそ続けないですっぱり縁を切った方が良い」
「そうか……頑張れよ、真帆」
頑張れ、か……走り去っていく彼の背中はとても大きく見えて、あんな彼氏にベタ惚れしてもらえるヒナに少しだけ嫉妬する。
そう言えば、こんな事を思い浮かべても嫉妬ってなんだ嫉妬はと思ったことだろう。だけれど今は違う、今ならナツヒの悪いところも良いところもまとめて全て受け入れられる。
……右のかかとに何かが当たる。それは誰かが忘れていたバスケットボールだった。
いや、その誰かは、そこにボールがある事を忘れていた誰かは、もしかして……
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