第二章
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「入学した時から有名だからな」
「そうだったんだ」
「そうだよ、ドスケベでな」
「それは嬉しくないね」
「セクハラはしなくてもな」
「ドスケベって言われてたんだ、僕って」
「水着マニアだってな」
そう言われているとだ、僕に言ってきた。
「それも筋金入りの」
「まあ実際僕水着好きだし」
「そうだろ、その御前にというかな」
「というか?」
「クラスの男子に水着姿見せたい女子ってな」
そうした娘はというのだった。
「そうそうないだろ」
「それもそうか」
「そうだよ、見せるのならな」
その水着姿をというのだった。
「彼氏だけだろ」
「そうなるんだ」
「そうだよ、だからな」
「誘いをかけてもなんだ」
「そう、声をかけてもな」
それでもだというのだ。
「乗らないさ」
「そうかな」
「ああ、まずな」
「そうなんだ、けれどね」
「それで諦める御前じゃないよな」
「何で諦めるんだよ」
僕も夢がある、キング牧師と同じ夢じゃないけれど。
そしてその夢を諦めるつもりはなかった、だから皆に言った。
「僕は誘いをかけるから」
「まあそれで玉砕しろよ」
「それも人生だからな」
皆はその僕をやれやれといった顔で送った、そして僕は。
実際に女の子達のところに行ってだ、こう言った。
「あの、よかったら今度の日曜日だけれど」
「海よね」
「海に行こうっていうのよね」
「うん、そうだよ」
こう言うのだった、本人達にも。
「行かない?」
「いいわよ」
「行こう、一緒にね」
ここでだ、女の子達の返事はというと。
僕も予想していなかった、実は断られると思っていた。玉砕して当然散るのも青春だと特攻隊みたいな考えだった。
けれどそれがだ、こう言われた。
「海行こうね」
「それで楽しもうね」
「う、うん」
「皆で行こう」
「皆で?」
僕は女の子達の笑顔での言葉に戸惑いながら返した。
「皆でってことは」
「だからクラスの皆でよ」
「参加出来るメンバーだけにしてもね」
「皆で海に行って」
「それで遊ぼうね」
「話が凄く大きくなってるけれど」
僕は女の子達に目を白黒させつつ返した。
「皆でって」
「数が多い方が楽しいじゃない」
「ねえ」
女の子達はそれぞれ顔を見合わせて笑顔で話した。
「だからね」
「皆での方がいいじゃない」
「じゃあそのこと男子に伝えるね」
僕は女の子達に思わぬ展開に驚いたまま答えてだ、そしてだった。
男子連中のところに戻って彼女達の言葉を伝えた、彼等も驚いたがその申し出を断ることはしなかった。
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