影と絶
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ら左下にかけて放たれた。その時には俺のソードスキルは終了。しかし、ユウキの剣にはまだソードスキルの光が点っている。
「くっ!」
メテオ・ブレイクを放った右手の剣を引きつつ、スキルコネクトで別のソードスキルを左手の剣で放つ。
片手剣汎用四連撃《バーチカル・スクエア》
その四連撃と、今度は左上から右下に向けて放たれた五連撃の突きを交換し合う。この時点で互いのHPはレッドゾーンに突入していた。
そしてユウキの剣は十連撃を放ったのにも関わらず、まだ青紫色の光を纏っている。
ユウキはその身体に目一杯力を込めて剣を後ろに引き絞っていた。
今までの技の形状、ユウキの性格。それらから鑑みて攻撃を放つ地点を分析、予測する。
その結果からバーチカル・スクエアから繋がる最適なソードスキルを選別し、スキルコネクトで繋げるのだ。
スキルコネクトは樹系図をなぞることと同じだ。あるソードスキルから別のソードスキルへ、状況に応じて分岐させることで凄まじい汎用性を持たせるのがスキルコネクトの真骨頂。
片手剣汎用二連撃OSS《ディバート・アトネメント》
一撃目でユウキの渾身の突きを逸らして身体を掠める程度に抑え、そして返す刃がスキル後の硬直で動けないユウキを斬り裂く。
レッドゾーンのHPで耐えられるわけがなくユウキのHPはすべて消え、そのアバターは無数のポリゴンとなって砕け散った。
直後、デュエル終了のファンファーレが鳴り響き、周りのプレイヤーが歓声をあげた。
いつの間にか周りにいるプレイヤーが増えていたようでゆうに50人程はいる。
「……はぁ……」
それにしても疲れた。相手が強ければ強い程楽しいのだが、同時に疲労も大きい。
とりあえずユウキが死に戻りする前に蘇生してやらねばならないので、腕を振ってプレイヤーメニューを呼び出すと、蘇生アイテムを取り出す。そして、紫色に光るユウキのリメラメントに蘇生アイテムを使用する。
「あー……ボクの負けかー……」
残念そうに呟きながらもユウキは満足げに笑っていた。
そして、周りから送られている拍手に満面の笑顔を浮かべると、それに応えるように手を振る。
俺がSAOからのコンバート組でなければ負けていたな。それほどユウキの使ったソードスキルは強力だった。
「……単純な剣の腕なら俺より上か」
しかも、まだ発展途上だから恐れ入る。
蘇生アイテムと共に出していた回復ポーションをくわえるとボンヤリとファンサービス(?)に応えるユウキを見た。
……今度はすべての技能を使って戦いたい、そう思った自分に苦笑しつつ、俺はユウキに声をかけた。
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