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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十七話 覚悟と選択する道 前編
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て、グレアムから視線をそらすことなくまっすぐ見つめてくる瞳。

「士郎君の言うとおりだな。
 十分な強さを持っている」
「士郎君ですか?」
「ああ、この話は君がもっと成長した時にと思ったのだが、彼から叱られてね」

 わずかにはやてに穏やかな視線を向け、グレアムは静かに語り始めた。

 11年前に、当時の闇の書の事件の指揮を執っており、部下であるクライド、クロノの父親を死なせてしまった負い目と後悔。
 偶然、次の主であるはやてを見つけ、法を破り、はやてを切り捨て闇の書を封印しようとしたこと。

 そんなグレアムの告白をはやては静かに受け入れていた。

 全てを話し終え

「すまなかった。
 君を犠牲にしようとしたことも、君の大切な家族を傷つけたことも改めて謝罪したい。
 本当にすまなかった」

 ただ頭を下げた。

 どのような恨み言を言われても受け入れる覚悟は出来ていた。
 それだけの事をしたという自覚もあった。

 だがはやてから出てきた言葉は

「グレアムおじさん、頭を上げてください。
 私はまだ子供やし難しいことはわかりません。
 でもおじさんが悩んで苦しんで、選択をしたことは理解してるつもりです」

 グレアムは目を丸くして、はやてを見つめる。

「そやけど、私はこうしてここにいます。
 シグナム達も戻ってきてて、リインフォースも消えずに済みました。
 それでええと思うんです。
 きっと奇跡のような幸運だとは思うんですが、皆無事にこうして居られるんなら、誰かが悪いとか間違いやったとか、そんなこと気にする必要ないと思うんです」

 はやてから出てきた言葉は罵倒や恨み言ではなく

「ただ皆無事やったことを喜べればそれでええんです。
 だからおじさんも謝ったりせんで、無事に事件が解決したことを喜んでください」

 皆が無事だったことを喜べばいいと、謝る必要はないというあまりに予想外の言葉であった。

(彼の言う通りだ。
 彼女は弱くなどない。
 もう十分に一人で考え羽ばたいていける)

 グレアムは胸に痞えていたナニカが取れたように力が抜けた。
 こうして彼女、はやてが笑えている
 それだけグレアムには十分であった。

「ありがとう」

 静かに微笑を浮かべ、グレアムははやてに再び頭を下げた。

 それからここにきたもう一つの目的のために頭を上げ、はやてに問いかけた。

「それと話が変わってしまうが、一つ教えてほしいことがあるのだがいいかな?」
「はい、なんでしょう?」

 グレアムから出て言葉にはやては首を傾げる。

「はやて君、君は衛宮士郎君とこれからどうするつもりかな?」

 ここにきたもう一つの目的。
 それははや
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